コロナ禍で新たな学びの形に注目!
NHK放送センターのハートプラザでは、キャリア教育支援のため年間およそ1700人の中学生・高校生向け体験学習を受け入れてきました。新型コロナウイルスの影響ですべて中止していますが、教育の継続を望む声は寄せられています。
【みなさまの声】
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学校関係者ですが、スタジオ見学ツアーのようなものは行っていないのでしょうか。実施されているのであれば、校外学習の一環として検討したいので、教えてほしい。(50代女性)
始まった「バーチャル訪問学習」
何か代わりにできることはないか。コロナ禍での新たな学びの形として考え出し、3月11日に試行したのが、「バーチャル訪問学習」です。
従来人気だったスタジオ見学にかわり、今回新たに用意したのが、大河ドラマの撮影現場や人気番組の舞台裏で活躍するさまざまな職種のスタッフの生の声をおさめた動画5本。「バーチャルツアー」として見ることができます。
大河ドラマ「青天を衝け」の舞台裏
当日参加した慶應義塾女子高校2年生13人は石橋亜紗アナウンサーなどとオンラインでつながり、放送の仕事やNHKについて対話し、関心に応えました。
NHKでは今回の試行を踏まえて、2021年度「バーチャル訪問学習」を本格的にスタートします。(講師は原則としてハートプラザの職員です)
申し込みは「バーチャル訪問学習申込フォーム」
石橋アナウンサーとオンラインで対話
【参加者の声】
- コロナでなければ直接訪問できたと聞いていたため、バーチャルという形で残念に思っていたが、体験してみると、有益な話をたくさん聞けて、直接アナウンサーと話しをする機会もあり、非常に貴重な時間だった。
- 大河ドラマには多くのチームが関わっていることを知ることができて、よかった。さまざまな役割の人たちが番組を作っていることを知ったので、これからテレビを見るときにもっと楽しむことができると思った。
「つながる!NHKメディア・リテラシー教室」も始動
さらに子どもたちの放送リテラシー向上のため、これまで「放送体験クラブ」などに取り組んできましたが、新たな取り組みを始めます。
あふれる情報の中で真偽を見極める力を養う「つながる!NHKメディア・リテラシー」のトライアルを1月29日に行いました。
進行役の大橋拓アナウンサー(放送博物館)と各学校をオンラインでつなぎます。
カメラの前に立って、子どもたちが元気に発表!
神奈川、石川、宮城、静岡の4校から小学5年生134人がオンラインで参加。「画像や映像のねらいを読み解こう!」というテーマに挑戦しました。
「顔加工アプリ」について、“SNSのアイコンとして使うならありか、なしか?”“ 観光パンフレットに使う写真は、工事車両を消してもよいか?”など、目的によってどこまで画像加工が許されるのか、意見を交換しながら体感してもらいました。
場合によってどちらがよいか異なる課題を通し、さまざまな意見に耳を傾けることも大切な要素でした。顔加工アプリについては、半数以上の児童が使ったことがあると挙手。「YouTubeのプロフィールとして加工画像を使っていいか?」という問いに対しては、「個人情報が出ないように使っていい」という児童もいれば、「プロフィール写真と実際の本人が違うと嫌な印象になるから、使わない方がよい」という児童もいるなど、身近な自分ごととして、意見を交換している様子でした。
【参加した子どもたちの声】
川崎市立新城小学校(神奈川)、金沢大学附属小学校(石川)、
仙台市立高砂小学校(宮城)、浜松市立雄踏小学校(静岡)
<授業で学んだこと>
- ひとつだけでなく、いろいろな情報から考えることが大事だとわかった。
- 今までは自分の意見を言う、発信することばかり考えていたけれど、他人の意見をきちんと聞いて、その考え方も参考にして、判断をしたいと思った。
<参加した感想>
- 他の学校のことを知ることができた。オンラインは初めてで緊張もしたけど楽しかった。
- いつもなら考えを共有できない他の学校の人とつながることができて、他の学校と相談するのもいいと感じた。
- (先生から)「授業が終わってからも『またやりたい!』という声が聞かれました」
NHKは2021年度から、小学5・6年生を対象に「つながる!NHKメディア・リテラシー教室」を本格実施します。
NHKでは今後も新たな取り組みを通じて、子どもたちの学びを支えていきます。
※内容は、掲載当時のものです。