震度6強の地震 スタジオからのメッセージに反響 

震度6強の地震 スタジオからのメッセージに反響 

午前5時のNHKニュース(2月14日)

2月13日深夜、福島県と宮城県で震度6強を観測する地震がありました。その翌朝、午前5時のニュースの冒頭、糸井羊司アナウンサーがスタジオから伝えたメッセージに、視聴者のみなさまから「心が温まった」など多くの反響をいただきました。ネット上でも、「感動した」といった内容のツイートがその日だけで400件近く投稿され、「糸井アナ」というワードがトレンド入りするなど、大きな話題になりました。


【14日午前5時のニュース冒頭 糸井アナウンサーのメッセージ】
おはようございます。5時になりました。ほとんど眠れなかった方、早く目覚めてしまった方、ともにお疲れのことと思います。日の出まであと1時間ほどになりますけれども、できるだけ安全な場所で、少し目を閉じながらでもかまいませんので、最新の情報をお聞きいただければと思います。


「どれだけ血の通った、生きたことばを伝えられるか」糸井アナ後日談

思い起こしたのは、3年前の胆振東部地震の経験

土曜日の午後11時過ぎ、家族とくつろぎ、寝る支度をしていたという糸井アナウンサー。大きな揺れの直後に家を飛び出し、地震発生からおよそ50分後にはスタジオで地震のニュースを伝え始めました。翌朝、午前5時のニュースも担当することが決まり、放送を見てくださる方の気持ちになって伝えるにはどうすればいいか、考えたそうです。

そのとき、思い起こしたのが、3年前の札幌放送局時代、胆振東部地震のときの経験でした。今回の地震同様、広範囲で停電が発生。ライフラインが使えないというストレスで思いのほか眠れない、やがて復旧しても緊張感で眠りが浅い、気づくとテレビをつけたまま明け方になっていたといいます。

そのときの体験をもとに、いま視聴者がどんな気持ちでいるのかを考え、自分のことばで語りかけました。糸井アナウンサーは、「原稿やマニュアルを越えて、どれだけ血の通った、生きたことばを伝えられるか、難しいけれども今後も大切にしていきたい」と話しています。

 【みなさまの声】

  • 福島に住んでいてほとんど眠れなかったが、糸井アナの優しさが伝わり、肩の力を抜く事ができた。(年代不明女性)
  • 10年前の記憶がよみがえり、1人暮らしで不安だったが、早朝、地震の影響を受けた地域の人たちに寄り添うことばを聞いて、しみじみとした温かい気持ちになった。(20代男性)

  • 心温まる放送をありがとう。将来、アナウンサーは、AIにとって代わられると言われているが、こうした血の通った温かいコメントは人間にしかできない。これからも視聴者に寄り添った放送を期待している。(60代男性)

 

避難行動につなげるには…

●3.11後 “減災報道”へ

 10年前の東日本大震災をきっかけに、NHKは、いのちを守り、被害を減らす「減災報道」の重要性に改めて目を向け、報道のあり方を見直しています。

たとえば、大津波警報が出た際には避難の行動につながるよう、強い口調の呼びかけや、言い切り型の伝え方などを取り入れることにしました。具体的に「命を守る行動」を呼びかける新たなマニュアルも作り、訓練と研修を続けています。

さらに、全国の地方放送局では、災害に備える地域の方々へのヒアリングを行い、専門家の知見をもとに、地震や豪雨、台風など、それぞれの状況下で、どんなことばや映像が行動につながるのか、検討を重ねています。

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住民の方々へのヒアリングの様子(2019年12月・函館)

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「命を守る呼びかけ」のマニュアル


※内容は、掲載当時のものです。