これからの番組

国際共同制作
アジア三都物語

初回放送
BS1
第1回 台北 ~時が止まった街角で~
原題:ISLAND-ISLAND
3月25日(火) 夜9時00分~
第2回 ニューデリー ~"自由"を求める女性たち~
原題:DELHI-FEAR AND FREEDOM
3月26日(水) 夜9時00分~
第3回 クアラルンプール ~ミャンマー難民の日々~
原題:THE COMMUNITY
3月27日(木) 夜9時00分~

番組データ

  • 制作年:2014年
  • 国際共同制作:
    「台北」 NHK / PTS
    「ニューデリー」 NHK / Ryhana Productions
    「クアラルンプール」 NHK / Dos Fellas Sdn Bhd

国際共同制作シリーズ アジア三都物語 写真

概要

経済成長著しいアジアの「今」を伝える国際共同制作シリーズ。舞台は台北、ニューデリー、クアラルンプールの3都市。
その地域出身のディレクターたちがそれぞれの都市で暮らす人々を見つめ、社会を浮き彫りにしていく。

開発から取り残された、台湾・台北の社子島(しゃしとう)。子どもたちは中学を卒業すると台北の中心部へ出て行く。厳しい現実と
向き合う子どもたちの姿から台湾の今を描く。インド・ニューデリーで夢の実現に向けて努力する3人の女性。その一方で相次ぐ
女性への性犯罪が社会問題化している。人生を切り開こうとする女性たちが希望や不安を語る。マレーシア・クアラルンプールには
ミャンマーからの難民が5万人いるといわれている。十分な保護や教育を受けられない中で、助け合いながら暮らす難民たちの日々を追う。

第1回 台北  ~時が止まった街角で~

台北のただ中に、昔ながらの風景や街並みがそのまま残り、まるで時が止まったかのような
一帯がある。台北を流れる2つの川にはさまれた中州、社子島だ。大都会にありながら洪水の
危険がある地区として開発が禁止されたため、経済発展から取り残されてしまったのだ。

そんな社子島でひときわ元気なのが地元の中学生たちだ。不法投棄されたオートバイの部品を
使って、自転車を"オートバイ風"にデコレーション、仲間たちと乗り回している。
しかし彼らも中学を卒業すると慣れ親しんだ社子島を離れ、働き口や進学先を求めて華やかな
台北の中心部に出て行く。地元の印刷工場で働きながら夜は市内の調理学校に通う少年、
美容学校に進む少女。外の世界に馴染もうと奮闘する子どもたちだが、そこには社子島出身者
としての、ある種の気後れや劣等感がつきまとう。
一方で、社子島に残り、地域の伝統芸能に打ち込む少年もいる。災厄を振り払う"神の使い"を
誇り高く演じる姿は、まるで自分たちに降りかかる運命に必死で抗しているかのようだ。



台北に暮らしながらこれまで社子島の存在を見て見ぬふりしてきたと語るディレクターの楊力州。
経済発展を続ける台北の中で居場所が見つけられない子供たちの姿は、巨龍・中国に飲み込まれんとする台湾そのものの姿と重なると言う…。

第2回 ニューデリー  ~"自由"を求める女性たち~

経済成長とともに都市開発が進み、大きな変貌を遂げるインドの首都・ニューデリー。
女性の社会進出も進んでいるが、一方で20代の女性がバスの中で複数の男から性的な暴行を
受けたあと死亡する事件が起きるなど、女性への性犯罪が深刻な社会問題となっている。

いま女性たちはどんな思いで暮らしているのか。ニベディタ(30)は女性警察官。
ニューデリーを女性が安全に暮らせる街にしたいと、夜の巡回パトロールや女性用通報
ホットラインでの相談など、昼夜を問わず奮闘している。女性がひとりで外に出ることさえ
許されない農村部から逃げてきたスニータ(37)は、ニューデリーで唯一の女性三輪タクシー
ドライバーだ。男社会の三輪タクシー業界で、時に男性から嫌がらせを受けながらも、自分の
腕で生活費を稼ぎ出す。スニータにとってニューデリーは"自由"を与えてくれる街だ。
家族に猛反対されながらも10代でニューデリーに出てきたゴウリ(27)。
流行のファッションに身を包み、最先端の若者文化を発信する女性DJだ。職業柄、夜の外出や
男性との仕事が多く、男性から色目を使われることも多いが、身の安全は自分次第だとし、
「自分の人生は自分で決める」と語る。ニューデリーで働く3人の女性に密着し、将来の夢や
不安について語ってもらう。



第3回クアラルンプール  ~ミャンマー難民の日々~

経済成長が続くマレーシア。首都クアラルンプールには、近年多くの難民が押し寄せている。
その9割は、ミャンマーで迫害を受けた人々だ。しかし、マレーシアは国連の「難民条約」に
加入していないため、難民たちの住居や教育などを保護する制度が整っていない。

そんなミャンマー難民たちが寄り添って暮らす場所がある。クアラルンプール中心部にある
インビ地区。ここで6年前から子どもたちのための学校を運営しているジョナサン(35)も、
祖国で迫害を受け、クアラルンプールに逃れてきた。
今では、ミャンマー人共同体のリーダーだ。ジョナサンたちのように保護を受けられない
難民にとって、頼みの綱は、国連難民高等弁務官事務所が発行する難民カード。
このカードを持つことによって、医療費が減額されるなど一定の保護を受けることができる。
それでも日々は不安の連続だ。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に難民として登録
されていても、不法滞在と見なされ警察に拘束されることがあるという。不自由な状況のもと、
より受け入れに寛大な国へ再定住を希望する人も少なくない。
ジョナサンの学校に通うサラ(16)は、家族とともにアメリカでの定住を希望している。
第二の人生に希望を託し、ジョナサンのもとにはまた新たなミャンマー難民がやってくる。
不安定な日々が続くなか、肩を寄せ合って暮らす人々の姿を描く。



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