さらばブエノスアイレス ~12曲のタンゴが奏でる人生~
初回放送
BShi | 2007年11月29日(木) | 午後8時~ |
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再放送
BShi | 2007年12月7日(金) | 午後2時~ |
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主人公はタンゴの故郷ブエノスアイレスに暮らすタンゴ・アーティストたち。2001年末、莫大な借金を抱えたアルゼンチンの経済は破綻、市民生活は困難な状況に陥った。以来、仕事を求める多くの市民がヨーロッパへと移民していった。厳しい暮らしを強いられているタンゴ・アーティストもそれぞれの選択を行っていく。番組全編に、アルゼンチンの歴史と大衆の思いが詰まった12曲のタンゴが流れ、それぞれの曲が祖国への愛情と厳しい現実の狭間で揺れ動く主人公たちの思いと絡み合い、理屈を超えた感動を与えてくれる。この番組は、タンゴ・アーティストたちの人生の選択を12曲のタンゴと共に描きだしていく音楽ドキュメンタリーである。
番組データ
- 原題:12 Tangos -Adios Buenos Aires
- 制作年:2005年
- 制作会社:Tradewind Pictures / Fruitmarket Kultur und Medien(ドイツ)
困窮のブエノスアイレスにて
ブエノスアイレスでは、2001年末の深刻な政治・経済危機以降、デモや道路封鎖が多く発生、治安は悪化した。町のいたるところに物々交換の市場ができるなど市民生活は困窮を極めた。アルゼンチンのタンゴ・アーティストたちも困難な経済状況に陥った。未来の見えない日々を彼らは送っている。
12曲のタンゴ
番組には散りばめられた12曲のタンゴ。その歌詞から、過去と現在のブエノスアイレスが浮かび上がる。タンゴはもともと貧困地区の人々が生み出したダンス音楽。タンゴの歴史はそのまま大衆の歴史である。12曲には市民の思いが激しく綴られている。12曲を演奏するのは、マリア・デ・ラ・フエンテ、リディア・ボルダなどアルゼンチンのスター・ミュージシャンだ。それぞれの曲が主人公の過去や現在とオーバーラップしながら番組は進行していく。
それぞれの選択
ブエノスアイレスの人々は今、それぞれの選択を迫られている。多くの人たちが、仕事を求めて、国を捨て、ヨーロッパへと移民している。この国は、ヨーロッパからやってきた移民たちによって出来上がった。祖先がやってきた道を人々は逆向きにたどっている。フランスで働くことを決めるダンス・インストラクター、ブエノスアイレスに残ることを決意するかつてのタンゴ・ダンサー。どちらの道も厳しいものだ。哀愁のタンゴと共に、番組はエンディングをむかえる…。