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20世紀“核”の内幕 ~米ソ対立とスパイ戦争~

初回放送
BShi 2007年9月27日(木)

20世紀に繰り広げられた、米ソによる熾烈な核開発競争。それは、開発に携わった科学者たち個々人の価値観や、スパイによる情報戦の成否など、極めて不安定な要因によって決定づけられてきた。
その時、米ソの現場ではどのようなドラマが展開していたのだろうか。およそ半世紀が過ぎた今、CIAやKGBの当時の機密資料が公開され始めている。
この番組は、ようやく明らかにされ始めた情報や映像資料を駆使しながら、迫力に満ちた再現ドラマで当時の模様を描きだしたドキュメンタリー・ドラマである。
広島、そして長崎にて人類に悲惨な被害をもたらした原子爆弾の開発を担った「マンハッタン計画」と、世界がかたずをのんで見守った「キューバ危機」。2つの重大な局面の背景に動いていた核開発エピソードを取り上げ、世界がいかに危ういバランスのもとに成り立っているかに迫る。

番組データ

  • 原題:Nuclear Secrets
  • 制作年:2006年
  • 制作会社:BBC(イギリス)

20世紀“核”の内幕 ~米ソ対立とスパイ戦争~

© BBC 2006

第1話 スーパースパイ ~マンハッタン計画~

第二次世界大戦中のアメリカ・ニューメキシコ州ロスアラモス。ここに設けられた核実験場で、核爆弾の開発が最終段階に入っていた。研究開発者の一人、クラウス・フックスは、実は熱狂的な共産主義者で、最新の機密情報をソ連に逐一送っていたスパイだった。1945年、マンハッタン計画の下で広島に、そして長崎に原爆が落とされ数十万の人命が瞬時に奪われた。核兵器のすさまじい威力と人々が受けた悲惨な被害を目の当たりにし、フックスは苦しむ。しかし、共産主義の理想世界を築くためのスパイ活動に迷いは無かった。アメリカは、この恐るべき兵器が敵の手に無いことを喜んでいた。しかし、実はソ連の指導者の手には、核の秘密が既に渡っていたのだ…。

第2話 モスクワからの使者 ~キューバ危機~

1962年、キューバ。世界中が、第三次世界大戦の恐怖におびえながらこの国を見守っていた。ソ連がキューバに核ミサイルを配備しようとしていることを、アメリカの諜報機関が突き止めたのだ。先手を打ってキューバを攻撃するか?ケネディ大統領は重大な決断を迫られる。優位に立つソ連のリーダー・フルシチョフは、しかしソ連の最高機密情報が1人の男の手によってケネディに渡されていたことを知らなかった。男の名はオレグ・ペンコフスキー。数々のリスクをかいくぐり、ソ連の核開発情報を正確に西側に流し続けたのだ。このペンコフスキーの情報によって、ケネディは核戦争の現実的な危機を回避することに成功した。しかしペンコフスキーはキューバ危機の結末を見届けることなく処刑された。最近公開されたKGBの機密情報を基に、当時の映像や息詰まる情報戦の様子を明らかにする。

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20世紀“核”の内幕 ~米ソ対立とスパイ戦争~ 写真

© BBC 2006

20世紀“核”の内幕 ~米ソ対立とスパイ戦争~ 写真

© BBC 2006