2022/3/7

あなたの出血量は多め?少なめ?

渥美治世(産婦人科医・東海大学 助教)

出血量が少ない

初経間もなくや閉経周辺期の場合、様子をみていただいて大丈夫です。

 

しかし性成熟期の方の場合、女性ホルモンの分泌に関してトラブルがある可能性が考えられます。若い女性に十分な女性ホルモンが得られないと、骨・血圧・脂質代謝など一生の健康に影響を及ぼす可能性があります。

 

出血量が多い

出血量を量ることはなかなか難しいです。

 

目安として、多い日の出血が

・500円玉程度の大きさの血の塊が1日に何回も出てくる

・1~2時間でナプキンを交換しなくてはならない

・日中でも夜用ナプキンを使用しなくてはならない

・タンポンとナプキンを一緒に使用しないと不安なくらい出血する

 

そして、

・1回の生理で昼用ナプキンを1パック(25個前後)以上使用する

などがあります。

 

さらに出血量を評価する方法としてpictorial blood assessment chart(PBAC) があります。使用後の1つのナプキンやタンポンに付着した出血が少量なら1点、中等量なら5点、多量ならナプキンは20点(タンポンは10点)、さらに血液の塊が1㎝程度までなら1点、1㎝以上で5点、使用しているナプキンやタンポンから血が漏れてしまったら5点という具合に加算してゆき、1回の生理で合計100点を超えると80mL以上の出血があったことが考えられ、過多月経が疑われます。

 

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tampons

 

過多月経になる原因は、子宮や卵巣に原因がある場合、止血機能に問題がある場合、甲状腺などに問題がある場合、使用している薬の影響など様々です。治療もそれぞれの原因によって異なります。

 

過多月経による貧血はゆっくりと進行するため、自覚症状が出にくいのですが、放っておくと疲れやすくなったり、心臓に負担がかかって倒れたりすることがあります。鏡に向かって「あっかんべ」をしたとき、瞼の裏の粘膜が白っぽいと貧血が疑われますので確認してみてください。

 

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※なお、ここで記載されている「女性」とは、生物学的・医学的な観点から表現されているものであることをご了承ください。