いま日本中で、地域コミュニティの再生が課題となっています。そこで必要なのは、住民の主体的な参加。地域のさまざまな課題を、住民自身がいかに「自分ごと」としてとらえて動くかが地域づくりの肝です。
前地方財政審議会会長で経済学者の神野直彦さんは、工業化の時代が終わった今、外からの企業誘致などでは地域づくりはうまくいかないと指摘。地域資源を生かしながら、住民参加によって、地域内で支えあう仕組みをつくることが大切だと言います。
シンポジウムでは、神野さんの問題提起を受け、住民が主体的に参加して地域づくりに取り組んでいる先進地として、兵庫県、広島県、島根県などの事例を紹介します。
パネリストは神野さんのほか、島根県海士町で、「あるもの」を生かした地域づくりに取り組む町長・山内道雄さんと、「地域の担い手」を育ててきた岩本悠さん。広島県安芸高田市川根地区で、行政に頼らない「手作り自治」に取り組む「川根振興協議会」会長の辻駒健二さん。神戸市で、阪神淡路大震災をきっかけに地域を支える有償ボランティア事業を発展させてきた、NPO法人「コミュニティ・サポートセンター神戸」理事長の中村順子さん。
それぞれの実践者とともに、住民参加による地域づくりについて議論を深めていきます。
【司会】後藤千恵(NHK解説委員)