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TVシンポジウム「地域の課題を“自分ごと”に~住民参加の地域づくり~」

いま日本中で、地域コミュニティの再生が課題となっています。そこで必要なのは、住民の主体的な参加。地域のさまざまな課題を、住民自身がいかに「自分ごと」としてとらえて動くかが地域づくりの肝です。
前地方財政審議会会長で経済学者の神野直彦さんは、工業化の時代が終わった今、外からの企業誘致などでは地域づくりはうまくいかないと指摘。地域資源を生かしながら、住民参加によって、地域内で支えあう仕組みをつくることが大切だと言います。
シンポジウムでは、神野さんの問題提起を受け、住民が主体的に参加して地域づくりに取り組んでいる先進地として、兵庫県、広島県、島根県などの事例を紹介します。
パネリストは神野さんのほか、島根県海士町で、「あるもの」を生かした地域づくりに取り組む町長・山内道雄さんと、「地域の担い手」を育ててきた岩本悠さん。広島県安芸高田市川根地区で、行政に頼らない「手作り自治」に取り組む「川根振興協議会」会長の辻駒健二さん。神戸市で、阪神淡路大震災をきっかけに地域を支える有償ボランティア事業を発展させてきた、NPO法人「コミュニティ・サポートセンター神戸」理事長の中村順子さん。
それぞれの実践者とともに、住民参加による地域づくりについて議論を深めていきます。

登壇者

  • 神野直彦さん 神野直彦さん東京大学名誉教授、前地方財政審議会会長 経済学者。大阪市立大学助教授、東京大学教授、関西学院大学教授などを経て、現職。専攻は財政学。ドイツの財政学を中心に学び、長く欧州を観察する中、日本も欧州のように自分たちの良いところを見直し、作り直すべきと提言。日本にはそれぞれの土地の風土にあった教えが沢山あると提唱し、精力的な執筆活動を続けてきた。
  • 山内道雄さん 山内道雄さん島根県海士町長 民間企業を経て、2002年海士町長に初当選。財政破綻寸前だった離島の町で、大胆な行財政改革を実施。Iターンの若者たちの力を引き出し、地域に「あるもの」を活かした魅力的な特産品開発などで大きな成果を上げ、注目を集めてきた。
  • 岩本悠さん 岩本悠さん島根県教育魅力化特命官 メーカーで人材育成等に従事するかたわら、全国の学校で開発教育・キャリア教育に取り組んだ後、2006年に島根県・海士町に移住。島唯一の県立島前高校の「魅力化」に取り組み、地域の課題を学ぶ「地域学」や、全国から多彩な能力や意欲ある生徒を募集する「島留学」の創設などに尽力。入学希望者の増加を成し遂げた。さらに、学校と地域の連携型公立塾の開設など、地域の担い手を育てる教育に取り組んできた。現在は、島根県全体の教育の魅力化に取り組む。
  • 辻駒健二さん 辻駒健二さん広島県安芸高田市川根地区・川根振興協議会会長 過疎高齢化による地域の将来への危機感から「自らの地域は自らの手で」と設立された住民自治組織「川根振興協議会」で会長を務める。地元農協の統廃合によって廃止された商店と給油所を振興会が譲り受け、地域全戸が出資して、生活を守るみんなのお店として経営。振興会では、地域特産の柚子を使った加工品作りや、交通手段を持たない住民のための生活交通の自主運行なども行う。
  • 中村順子さん 中村順子さんNPO法人「コミュニティ・サポートセンター神戸(CS神戸)」理事長 阪神・淡路大震災発生後、「東灘地域助け合いネットワーク」代表幹事に就任し、震災の救援組織を立ち上げ、復興活動に取り組む。そうした経験から、1996年に「CS神戸」代表幹事に就任。地域活動団体の設立・支援のための中間組織を立ち上げ、地域の自立を促すための活動を行う。1999年から理事長。

【司会】後藤千恵(NHK解説委員)