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都会でも 自然に触れる暮らしを

都会でも 自然に触れる暮らしを

2017年4月4日更新

都会でも、自然の恵みを受け、里山や農業と共にある暮らしを味わうことができます。

地方の山村を訪ねると、「ここには何もないから」という嘆息がよく聞かれます。しかし、都会から訪ねた人たちは、反論します。「何もない?何を言っているんですか!こんなに豊かな自然があるではありませんか!」
豊かな自然がほとんど残されていない都会の人にとって、自然は宝物、貴重品です。しかし、実は都会にも、ささやかな自然が残されている地域があちこちにあります。自然とともに日々の暮らしを楽しむこともできるのです。

都会で里山の暮らしを楽しむ

東京都板橋区には、東京ドームよりも広い林が敷地内にある団地があります。ここでは、住民自らが木の伐採や、草刈り、枝打ちなどを行い、林を整備しています。落ち葉や枝で堆肥をつくり、林に戻します。林の木を切った木材は、キノコ栽培や炭焼きに活用。都会にいながらにして里山の暮らしを楽しみ、住民同士の交流も生まれています。

都会で里山暮らし 住民自ら手入れする林 ~東京都板橋区~(地球だい好き 環境新時代)

東京ドームよりも広い人工林を敷地内に持つ東京都板橋区の団地。住民に愛されている林の手入れのため、高齢者を中心とした住民によるボランティアグループ約100人が木の伐採や枝切りなどを週1回程度行っています。伐採した枝は林に返し、葉は堆肥に。木や枝は粉砕して敷地内にまいています。間伐材でキノコ栽培や炭焼きも行うなど、都会にいながらにして里山暮らしを楽しみ、住民同士の交流も生まれています。

地球だい好き 環境新時代
故郷は“都会の里山”
(2004年6月19日放送)

都会の住宅街で農業を体験

いま、都会で野菜づくりが静かなブームになっています。東京都練馬区の住宅街にある畑では、1990年代から、近隣住民が野菜づくりを楽しめる「風のがっこう」という手作りの学校が開かれています。先生は、地元の農家。参加者は、指導料や種苗代など年間使用料を支払い、それぞれ小さな農地を借りて様々な野菜作りを学んでいきます。例えて言えば、“農業のカルチャースクール”といったところでしょうか。獲れた野菜は持ち帰り、自宅で調理して食べる楽しみもあります。都会に住みながら、里山で感じられるような季節の移り変わりや野菜の旬などを味わうことができます。

都会人よ 畑に集まれ! ~東京都練馬区~ (未来派宣言)

東京都練馬区大泉で開かれている「風のがっこう」では、緑と親しむ機会の少ないサラリーマン世帯が、プロの農家から野菜作りのノウハウを学びつつ、新鮮な野菜を食べることができます。ふだん交流することの少ない都市住民を農地に招き入れることで、都市部から消えつつある農地を守ろうという試みです。さらに教育の場、災害時の避難場所、心のリハビリ場所として、都会の中の貴重な農地の価値が見直されようとしています。

未来派宣言
都会人よ 畑に集まれ!
(1998年10月26日放送)

自然の中で火遊びもできる 都会の公園

自然に触れる体験を一番必要としているのは、都会の子どもたちかもしれません。自然の中を駆け回り、擦り傷をつくりながら、泥だらけになって遊びに夢中になるー。そんな体験を楽しめる場が、都会の真ん中にあります。「羽根木プレーパーク」は、近隣住民で運営する、「禁止のない公園」。たき火も、水遊びも、泥んこ遊びも、刃物を使うことも出来ます。危険だからと禁じるのではなく、遊びの中で刃物や火の扱い方を覚えていく。子どもたちが生きる力を培う場となっています。小枝も葉っぱも木の実も土も、子どもたちは自由自在に遊び道具に変身させていきます。世田谷で始まった「プレーパーク」(冒険遊び場)の取り組みは、今では全国各地に広がりました。

自分の責任で自由に遊ぶ禁止のない公園 ~東京都世田谷区~ (未来派宣言)

焚火禁止、木のぼり禁止。公園には「子どもの安全」を理由に、たくさんの禁止事項があります。子どもたちが火や木、土と触れ合って育つ環境を取り戻そうと作られたのが、東京都世田谷区にある羽根木プレーパーク。そのモットーは「自分の責任で自由に遊ぶ」です。ナイフや工具を「危険だから」と禁止したり、取り上げるのではなく、遊びを通して安全な使い方を覚えられるよう、大人のプレーリーダーたちが見守っています。

未来派宣言
禁止のない公園で遊びましょう
(1999年2月15日放送)

地方の豊かな大自然とは、ちょっと違いますが、都会にあっても、工夫次第では、自然と親しむことは可能です。みなさんも、身近な自然と触れる取り組み、始めてみませんか?