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高齢者や障害者の視点を防災対策に

高齢者や障害者の視点を防災対策に

2016年12月1日更新

突然の災害。弱い立場の人たちが取り残されない社会を作れれば、
みんなが安心です。

思いがけない時にやってくる地震や豪雨。これまで例のなかった大規模災害の発生が増えています。
災害時、地域の誰もが大きな負担やストレスを抱えている中で、ひとり暮らしのお年寄りや、障害のある人、障害児を抱える家庭など、さまざまな現実を抱えている人たちは、いつもに以上に声を挙げにくくなりがちです。弱い立場の人に温かい社会は、みんなが安心して暮らせる社会です。いざというとき、弱い立場に置かれている人たちが取り残されないように、どんな工夫ができるでしょうか。
ケアを必要とする人々を包み込むようなふだんからの関係作りが、地域の回復する力(レジリエンス)につながる。このような視点から、今回は災害発生初期に焦点を当てて、できることのヒントを探ってみましょう。

避難所の運営に工夫を

配給の長い列に並ぶ体力がない、必要なものを言いだせないなど、避難所生活の中で、高齢者や障害をもつ人たちのニーズは特に見過ごされがちです。弱い立場の人々がとりこぼされないために、どんな工夫ができるでしょうか。
東日本大震災時に避難所のリーダーをつとめた石巻市の松村善行さんは、一人ひとりの負担を減らし要望を聞きとりやすいように、班を作るなどの工夫をしました。グループを作ることは、弱い立場の人たちを支えるだけでなく、みんなが助け合う雰囲気づくりにも一役買ったそうです。

避難所運営のヒントを東北の被災地から学ぶ

移動困難な人たちの避難をどう支えるか

東日本大震災では、障害者の死亡率は健常者の2倍にも上りました。ひとりでは移動が困難なお年寄りや高齢者の避難を、近隣住民2人が手伝う仕組みを震災前から作っていた宮城県石巻市八幡町。実際に町が津波に襲われたとき、防災ネットワークはどう機能したのでしょうか。

災害時に障害者の避難を支援するネットワーク

動画を見た同志社大学の立木茂雄教授は、八幡町の防災ネットワークの取り組みを高く評価しつつ、「弱者の立場になって周りの人が考えてみるだけではなく、当事者も参加して実地訓練を行うことで、想定では見えていなかった課題を発見できる。その課題の解決方法を当事者と一緒に考えることが重要」と指摘しました。また、「ひとりでは避難できない当事者にとって、“自助”とは「助けがほしい」と声を上げること。さらに当事者の“自己決定”にもとづいて、支援が必要な人の個人情報を地域に開示することで、より広い支援の層が機能することが可能になる」と話しました。
震災の経験を受けて、八幡町では今、災害時要援護者の避難を支援する人を2人に限定せず、隣近所のつながりの中で、助け合って避難するかたちのネットワークを再構築しているとのことです。

障害者の視点を復興にも

八幡町と同じように地震に襲われた岩手県陸前高田市でも、災害を機に、障害をもつ人たちの声を積極的に地域づくりに取り入れることで、誰もが暮らしやすい街を作っていこうという動きが始まりました。災害の経験は、障害をもつ当事者たちにとっても、より積極的に地域に関わっていこうという思いを強めるきっかけになったそうです。

障害者が参加し、誰もが暮らしやすい街づくりを議論

阪神淡路大震災や東日本大震災など、これまでの災害の経験から、弱い立場におかれがちな人々への配慮を、災害発生の初期段階から対策に組み込むことが、地域でで取り残される人を出さないために重要であることが明らかになっています。だからこそ、災害が起きる前から、多様な人々の視点を取り入れた防災対策を作っておくことが重要なんですね。次回は、災害からの復興過程で、弱い立場の人々が取り残されないためのコミュニティ作りのヒントを探ってみたいと思います。

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