地域づくり情報局

土佐の森から~未来へのたより

高知県いの町のNPO法人「土佐の森・救援隊」中嶋健造さんたちによる「自伐型林業」での山林・中山間地再生への挑戦。

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2016年04月08日 (金)

私が"自伐型林業"にはまったワケ

森林・林業に関わり始めたきっかけは、平成13年にNPO法人土佐の森・救援隊(以下、土佐の森)の前身の団体の活動に参加してからである。森林ボランティア団体でありながらチェーンソーを本格的に使い、さらに伐った原木すべてを搬出して出荷していると紹介されていたのを見て、興味深く思ったからであった。


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源流森林救援隊(土佐の森の前身団体)


当時の森林ボランティアはチェーンソーを使うような森林整備ではなく、植樹や下刈り、あるいは子供に対する環境教育的なものばかりで、森林ボランティアがチェーンソーなど使うのは無謀なことだという意見も多く、ボランティアが林業に踏み込んではいけないというような風潮もあった。その中で「チェーンソー使わずして森林整備ができるか」、また当時の森林組合も搬出する技術がなく、伐り捨て間伐をばかり行うところが多かった中で、「間伐した材を伐り捨てるなどもってのほか、出荷して使ってこそ森林整備である」と、当時の森林関係の一般認識を堂々と覆す言動を取っている森林ボランティア団体に興味を持ったという感じであった。

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造材&搬出の様子


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用材搬出の様子


この土佐の森を立ち上げた人物は、自分所有の山の整備・管理・原木出荷等のすべての作業を自ら実施する自伐林家であった(ただし、サラリーマンしながらの土日林家である)。当時私は、河川の再生活動を皮切りに、棚田保全、焼畑再興等を通じて地域づくりや環境保全活動に精を出していた。しかし経験を経るに伴い、環境ボランティアの持続性や棚田や焼畑等の条件不利地農業の経済性に疑問を生じ始めたころだった。「中山間地域再生するには環境保全や中山間地域農業やグリーンツーリズムでは何か物足りない、何かが不足している」と感じている中で知ることになった自伐型の森林ボランティア活動だった。
ボランティアといえども最初から経済活動がリンクしており、地域通貨券を労働対価として配布したり、やけに豪勢な懇親会がセットになっていたり、素人のような存在で原木をさらりと出荷していたりと、この土佐の森の活動には、よくわからないながらも「これはおもしろい!何かあるのでは」と感じさせる魅力があったことを思い出す。当時の代表が「この団体は梁山泊みたいじゃろ」と酒を飲みつつ豪快によく笑っていたものである。

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集合写真


この時の直観で土佐の森にどっぷりはまることになるだが、この直観は間違ってなかったと現在感じている。当時の活動は、今振り返ってみると実に大きな仕事の領域に踏み込み始めていたと思っている。その証拠に、その直後の行政や林業界の思わぬ反応でそれを確証することになる。それは、また次回。

コメント(2)

中嶋さんの、自伐へのハマり方が良く分かりました。
自伐を、とても楽しそうに表現しておられて、こちらももっと楽しくハマれるように、もがいています!

投稿日時:2016年04月10日 23時48分 | 荒川ひろし

荒川さん、ぜひうまいことはまってくだささい。
自伐に巡り合うことは、かなりラッキーです。先に請負事業体等にはまってしまい、後悔している方が大勢います。山が荒れてしまい、持続的森林経営ができなくなってからでは後悔しても終わりです。荒れる前に巡り合ったということはラッキーです。これから努力して展開できるように頑張ってください。

投稿日時:2016年04月11日 22時20分 | なかじま

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土佐の森から~未来へのたより

中嶋健造さん(NPO法人 土佐の森・救援隊 理事長)

IT、自然環境コンサルタント会社等を経て、2003年、NPO法人「土佐の森・救援隊」設立に参画。現在、理事長。地域に根ざした環境共生型の林業は、山の所有者が自分で伐採する”自伐”であると確信し、「林業+バイオマス利用+地域通貨」を組み合わせた「土佐の森方式」を確立。森林・林業の再生、中山間地域の再生、地域への人口還流、地方創生、森林環境の保全・再生等のために、自伐型林業の全国普及にまい進している。

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