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2016年06月02日 (木)
両合棚田再生プロジェクト報告(第2回) ―フィールドワークでお宝ザクザク―
5月20日(金)のフィールドワークは五月晴れでした。大分県宇佐市、両合(りょうあい)棚田再生協議会の皆さん、地区の人たちを中心に市長や市役所の皆さん、県庁の皆さん、獣害専門家、クリエイター、地元新聞社の人たち、総勢約20人が参加です。石井さんの奥さんの康美(こうみ)さん(68)もはりきっています。
康美さんと私
フィールドワークにはどんな服装をすればいいか。これは重要ですね。
獣害対策エキスパートの山端さんは、水筒、カメラ、ノートなどが入る、ウエストでもパチッと留めることができるバッグを身体の前面に来るようにし、両手は自由ないでたち。
康美(こうみ)さんは農作業用の帽子をしっかりかぶり、軍手、足元は地下足袋。ズボンのすそは地下足袋の中に入れています。私も帽子、長袖・長ズボンでしたが軍手を忘れました。バッグも手に持つタイプでダメですね。
棚田の地図を持って歩きます。
黄色は現在稲作が行われているところ。ブルーは放牧地。紫は牧草地、黄緑は畑や果樹が植えられています。ピンクは5年かけて稲作を再開するところ。多面的な活用がされているのですね。
棚田や周辺地域を歩き、地域の魅力を探します。
どんな生きものに出会えるか?
どんな在来野菜があるのか。それはどんな郷土料理で食べるのか。
川の上流にため池やクヌギ林があるらしい。
田んぼの水はどんな水路でどこから引いているのか。
そして、シカはどこからどのように棚田に侵入しているのか・・・
地域の人に色々質問しながら歩きました。
なんといってもビューポイントの一つは「石橋」の両合川橋です。国の登録有形文化財で、両合川橋は大正14年10月に吉村万太郎によって造られました。橋を挟んで東西に位置する集落が出会うことから、この名前が付けられたといわれています。
川で昔は泳いだし、ここにもオオサンショウウオがいたそうです。
屋根に草をはやした「草屋根」の建物が最近注目されていますが、こちらはいわば「草橋」ですね。
欄干も無いのに、これまでに落ちた人はいないそうですよ。
地図には放牧地とありますが、牛が6頭草をはんでいました。一頭は子牛です。
棚田に響く牛の鳴き声。なんとも癒されます。
畑には野菜や果樹が植えられていました。ネギ、トウガラシ、キャベツなど。キャベツは意外でしたが、これらはシカは食べないそうです。
果樹では柚子、栗、銀杏、柿がありました。大分といえば柚子胡椒が有名ですが、その原材料も植わっているわけです。
ところでシカはどこから棚田にやってくるのでしょうか。草地のところどころに「けものみち」や、山から下りてきた跡があちこちにありました。山際に沿って造られている水路に沿って歩いてみました。炭焼き窯などもありました。昭和30年代頃まではクヌギで炭も焼いていたそうです。
山端さん曰く、この水路に沿ってぐるりと柵を張り巡らせるのが良いのではないかと。ただし、川を伝っても歩いてきますので、その近くに檻を設置する必要がありそうです。
これらの地域資源をいかに活用して、NEW両合棚田を作っていくか。クリエイターである中野伸哉さん、山端さん、私に課せられたテーマなのですが。
国東半島で陶器・ガラス工房「ラパロマ」を運営する中野さんは、こんな作品もプロデュースされる方なのです。
え、何?
こんにゃくです。オオサンショウウオの形。両合棚田のある院内地域には、天然記念物のオオサンショウウオが生息しているのです。
このこんにゃく、パッケージに「おでん用」とあります。おでんの鍋の中を泳いでいる姿を想像すると・・・なんだか楽しくなりますね!
両合棚田ではコンニャク芋も栽培していますので、何かの生きものをかたどった両合〇〇コンニャクも作れそうです。
また、宇佐には安心院(あじむ)という地域があり、スッポンの産地としても有名です。ワイナリーもあります。また市内には有名な焼酎の酒造メーカーもあります。こうした周辺の美味しいモノとのコラボもありえますね。宇佐ジアス(世界農業遺産)は美しくて美味しくて楽しい!をめざすことといたしましょう。
両合棚田の再生プロジェクト。次回は6月5日の田植え。地元の小学生や大学生も参加するそうです。私も先割れ田靴を持参して植えに行きます。また、報告します。