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2017年05月29日 (月)
お酒づくりから地域の居場所づくりへ(愛知県日進市)
私がどぶろくとワインを造るそのワケは。。発酵大好き食いしん坊だからです。微生物や化学反応、そんな直接目では見えない、けれど確実に何かが作用して、反応して、変化が起こることに興味津々。そんなロマンチックでかつ科学的な過程やデザインすることが好きで好奇心旺盛。まちづくりも発酵と似てますね。
そもそも、日本は発酵大国・発酵先進国。酒、味噌、醤油、粕漬、納豆…日本の食文化は、発酵なしで語れません。
これまでも、自分で起こした小麦由来の酵母を使って、老麺法(種次ぎ10年目)によるパンの生産をしてきました。製法は、紀元前エジプトで小麦と水に偶然酵母がついて、膨らんだものを焼いたらパンになったのと同じ方法。もちろん市販の酵母ではありません。材料も、小麦と水と少々の砂糖と塩しか使いません。卵もバターも乳製品も使いません。このパンは、冷蔵庫で1か月以上でも保存できます。このほか、発芽玄米の麹づくり、味噌玉づくり、からすみづくり、ほかいろいろやってきましたが、とうとう昨年、発酵オタク憧れの酒造免許にまで手を出しました。
まず、酒造場をどこに造るか。昔の日進市の中心地、蟹甲地区の活性化も目指して、蟹甲交差点前にカフェレストランを開店。名前は「あんこ椿 -encore tsubaki-」としました。encoreは、英語でアンコール。encoreのenは、蘇る・再度・復活、coreは、核。つまり町の中心市街地の復活という意味です。
さて、一人でワインやどぶろくを作るにはどうしたらよいか。ということで、まずは、最近DMOを進めようとしている日進市役所を口説きました。DMOとは、今注目されている、地域のさまざまな資源を生かした観光地域づくりを行う法人のことです。国の内閣府に構造改革特区の認定申請をしていただいて、それが認定され、次の難関は天下の国税庁。理解不能の専門用語、数えきれないほどの交渉とやり直しと大量の書類。結果…2016年10月、内閣府・構造改革特別区域法に基づく濁酒(どぶろく)と果実酒(ワイン)という2種類の酒類製造免許を国税庁から取得しました。この過程では、愛知県の保健所の酒類製造許可を取るのも一苦労。あんこ椿は、酒税法上の酒造場にもなりました。ブランド名は「椿酒造」。そしてやっと私は、杜氏になれたということです。おそらく、女性が初代の酒造場は、全国でもあまりないと思います。
この免許取得へのお役所との険しい、でも楽しい道のりと、その中で乗り越えた難関の数々。どんな問題にも解決策はあるはず。
人間っていいな、生きているって素晴らしい。誰にでも友達がいて、探さなくても友達がいる。
支えられていると意識しないで支えられ、支えていると意識しないで支えている、誰もがそう思える社会になるといいな、と思い、そんなイロイロを繋げるまちの居場所を目指します。行政にも、若者にも、親戚にも先生にも、もう、「無理!」なんて言わせたくない。
ストレスの連鎖のない、フラットな社会を目指す活動も同時進行中!
【投稿者:眞柄文子】