
日本の路地は、ネコと鉢植えがよく似あいますね。今回、「街の樹木・植物」というテーマで歩いてみて、日本人の気質というか、日本人らしさってこういうところだよなぁ、と思い当たることが多くありました。
まず、ほんの少しの隙間を見つけて、鉢植えを置くこと。玄関先から家の塀に沿うように並べられた植木鉢は、色も形も様々です。鉢を突き抜けて成長を続ける植木もちらほら・・・長屋のご近所同士も、お隣の水やりを気にかけたり、出来栄えを自慢し合ったりしたのでしょうか。整えられた花壇や庭園とはまた違う、楽しくて素敵なお庭です。
それから、いつの時代も、研究なのか趣味なのか一つの分野をとことん極めた達人がいること。江戸時代、競って作られたという“変わり朝顔”ですが、小笠原先生に伺ったところ、新しい種類を生み出すためには、何百、何千という種を取って交配をさせていく、気の遠くなるような作業が必要だそうです。好きなことに傾ける情熱、今の時代にも大いに通じるものだと思います。
ところで、とある理由から、花鳥風月はあえて興味を持たないようにしているというタモリさん。でも、松がお好きだったり、草の庭に感じ入っておられたりと、本当はかなりお詳しいと見ました。
「家光遺愛の松」を見せていただいた都立園芸高校は、学校中が植物園のようでした。100年前にアメリカ大統領から贈られたハナミズキは、校舎の裏にひっそりと立っています。当時渡ってきた40本のうち、現存するのは、この学校に残る1本だけですが、栽培しやすいこともあって、今では、東京の街路樹で、イチョウに次いで2番目に多い木だそうです。何気なく見ている街路樹も、時代を映しているのですね。
江戸時代から変わらない、深くて近しい植物とのお付き合い。研究熱心で“新し物好き”の江戸時代の人が東京の街路樹を見たら、何を思うのでしょうか。“御鉢植作留造”さんに、ぜひ聞いてみたいものです。
次回は、「江戸の運河」をテーマにブラ歩きです。江戸はベネチア以上に美しい水の都だった、とはタモリさんがよくおっしゃる言葉。江戸時代と現代の物流、かけ離れたものに思えますが、ここにもあるんですねぇ、土地のDNA。木曜夜10時、どうぞご覧ください。