日本人の意識・40年の軌跡(2)

~第9回「日本人の意識」調査から~

公開:2014年8月1日

NHKが1973年から5年ごとに行っている「日本人の意識」調査の最新の結果を2回に分けて報告する。2回目は政治、ナショナリズム、基本的価値観を取り上げる。

選挙やデモ、世論などの人々の行動が、国の政治に影響を及ぼしていると感じている人が、2000年代に入って増えている。国の政治が取り組まなければならない課題では、「経済の発展」を挙げる人が最近の5年間で増え、「福祉の向上」は減少した。

「日本人はすぐれた素質をもっている」、「日本は一流国だ」と考える人が前回に続き増え、日本や日本人に対して自信をもつ人は、過去最高だった83年の水準に近くなった。また、天皇に対して「尊敬の念をもっている」という人も34%と前回に続き増え、昭和時代の73年の水準に達し、「好感をもっている」と並んだ。

親せきや職場の同僚と「なにかにつけ相談したり、たすけ合えるようなつきあい」が望ましいという人が最近の5年間でも減り、隣近所と合わせて、密着した人間関係を望む人は40年間で大きく減少した。

また、前回調査から今回の間に東日本大震災が発生したが、これまでと異なる変化を示している項目は少なく、「日本人の意識」調査でとらえている意識領域においては、震災の影響が顕著に表れているとは言えない。

世論調査部 高橋幸市/荒牧 央

※NHKサイトを離れます

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