社会や政治に関する世論調査

格差意識の薄い日本人

~ISSP国際比較調査「社会的不平等」から~

NHK放送文化研究所が加盟する国際比較調査グループ、ISSPが2009年に実施した調査「社会的不平等」の結果から、41の国・地域を比較し、日本人の格差に対する意識の特徴を中心に探った。

自分が社会的にどんな階層にいると思うかを10段階で聞いた質問では、日本は下位(1~5)の割合が7割に上り、調査参加国の中で多いほうに入る。また、自分の仕事の社会的位置付けが、父親が就いていた仕事よりも低いとする男性は36%で、参加国の中で最も多い。背景には、非正規雇用の増加など不安定な雇用があると考えられる。

一方、日本を「格差のある社会」だと認識している人や、「所得の格差は大きすぎる」と考える人は参加各国の中では少なく、格差に対する意識が希薄なことがうかがえる。また、医療や教育の格差を容認する人は10年前と比べて大きく増え、各国と比べても高い水準になっている。このように格差への危機感が薄い社会では、機会均等への取り組みが進まず、格差がさらに広がる可能性もある。

世論調査部 村田ひろ子・荒牧 央