社会や政治に関する世論調査

日米安保のいま

~「安全保障に関する電話調査」から~

2010年、改定から50年を迎えた日米安全保障条約を検証する番組にあわせ、世論調査を実施した。9月には尖閣諸島沖で中国漁船が日本の巡視船に衝突する事件があり、調査直前の11月には北朝鮮による韓国・ヨンビョン島への砲撃があった。国民がいま、安全保障をどのように考えているか分析した。

現在の国際情勢の中で日本の安全が脅かされている不安をどの程度感じているか見てみると、「どちらかといえば不安」という人が半数近くに達し、「不安だ」という人も含めると、8割を超えた。「朝鮮半島情勢」、「中国の軍事力の増強や海洋における活動」が「不安だ」という人はいずれも8割を超えた。

日米安全保障条約については、「役立っている」31%、「どちらかといえば役立っている」40%で7割以上の人が肯定的に評価している。

日米安保がどのような結果をもたらしたかについては、「日本の安全が守られた」という人は7割を超え、「アジア太平洋地域の平和に貢献した」という人は6 割近くになった。その一方で「在日米軍基地の負担が重くなった」という人も7割を超え、「アメリカの国際戦略の一翼を担わされた」、「日本独自の外交ができなかった」という人も6割を超えた。

今後の日米同盟のあり方については、「今のままでよい」という人が4割を超えた。さらに「今より強めるべきだ」という人も3割近くに上っている。今後の在日米軍のあり方については「今程度でよい」が45%、「今より減らす」は39%となった。日米安保が「役立っている」かどうかの評価によって、今後の在日米軍のあり方についての考えに差が見られた。

日米同盟については“現状維持派”が多いが、これからの安全保障体制のあり方では、「アジアの多くの国々との関係を軸に、国際的な安全保障体制を築いていく」が5割を超え、「日米同盟を基軸に日本の安全を守る」の2割弱を大きく上回った。

ただ、「国際的な安全保障体制を築いていく」という人の72%が日米同盟を「強化・維持」すべきと答えていて、日米同盟を否定しているわけではないことがうかがわれる。

世論調査部(社会調査)  関谷道雄