社会や政治に関する世論調査

政権交代の背景と選挙結果への評価

~第45回衆議院選挙世論調査から~

政権選択が最大の焦点となった第45回衆議院選挙は、8月30日に投開票が行われた。選挙の結果は民主党が選挙前の115から193多い308議席を占めて圧勝し、政権交代が実現することになった。

NHKでは、今回の衆議院選挙にあたり、投票3週間前から計4回の全国世論調査を実施するなど有権者の選挙に対する関心や投票意向などを探った。

上記の世論調査結果などに基づいて政権交代の背後にあった有権者の意識を探るとともに投票1週間後に行った定例の政治意識調査の結果から有権者が今回の民主党の圧勝をどう受け止めたかについて分析を行った。

公示前に行われた1回目の全国世論調査ですでに民主党が圧倒的に優位な情勢で、この傾向は、選挙戦が進んでも大きく変化することはなかった。有権者の意識としては、全国世論調査を始めた時期が事実上、選挙終盤だったといえるのかもしれない。今回の選挙で小選挙区制度が定着し、有権者はその時々の政権政党が不満なら、一気に政権を交代させることが可能になったと実感した。こうした予感が選挙への投票意欲や関心を高め、実際に投票率を押し上げた。

一方、有権者は、自民党に対し、厳しい視線を送るものの再生に期待する考えが6割を超えた。小選挙区制のもとでは、いつでも政権交代可能である2つの大政党が必要だという声が強い。

民主党を中心とした新政権は、自民党政権ではなかなか実現できなかった政策課題を、いかに着実に実施に移していくか。その成否が、次の衆議院選挙の結果を大きく左右するのは間違いなさそうである。

世論調査部(社会調査)加藤 元宣
編成局(編成センター)藤岡 隆史