日本人の意識変化の35年の軌跡(2)

~第8回「日本人の意識・2008」調査から~

公開:2009年5月1日

NHKでは1973年から5年ごとに「日本人の意識」調査を行っているが、昨年の6月に第8回を実施したことにより35年間におよぶ日本人の意識の変化および不変をとらえることが可能となった。今回は、4月号に続いて、政治、ナショナリズム、天皇感情、宗教、そして基本的価値観などについて報告する。

「国民が投票すること」および「国民のデモや陳情、請願」が、国政に影響を及ぼしていると考える人が、ともにはじめて増加した。また、「支持する政党がない」という人がはじめて減少し、1973年(第1回調査)以降に結成された新党としては、民主党が初の2桁となる15%の支持を集めていることも注目される。

「日本は一流国だ」および「日本人は、他の国民にくらべて、きわめてすぐれた素質をもっている」と考える人が、ともに1983年までは増加し、その後は減少していたが、最近の5年間で再び増えた。また、「今でも日本は、外国から見習うべきことが多い」と考える人も減少し、日本に対する自信がやや回復している。

天皇に対しては、平成になって「尊敬の念をもっている」という人が減少したが、今回は20%から25%へと増加した。その一方で、「好感をもっている」と「特に何とも感じていない」とが交互に多数となる状態が続いており、今回は「特に何とも感じていない」が34%に対し、「好感をもっている」が39%で多数となった。

信仰・信心に関しては、「仏」を信じている人が最も多く、次いで「神」が多いという状態が35年間続いている。そうした中で、「あの世」、「奇跡」、そして「お守りやお札などの力」を信じている人が最近の5年間で増加し、それぞれ過去最高となった。「あの世」と「奇跡」は若い世代で多い。

世論調査部(社会調査) 河野 啓/高橋 幸市/原 美和子

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