社会や政治に関する世論調査

食事に関するしつけやマナーの伝承

~「食生活に関する世論調査」から③~

2006年3月に実施した「食生活に関する世論調査」の結果の中から、「好き嫌いなく食べる」「食卓にひじをつかない」といった食事に関するしつけやマナーに関するデータを分析しました。子どものころに食事に関して守るように言われていたことを答えた割合は高齢層より若年層で低い傾向があり、食に関するしつけはゆるくなってきていることがうかがわれました。

小学生のころ食事の時に守るように言われていたことを、10項目選択肢にあげて複数回答で聞いた結果、「食べ物を残さない」と「食卓にひじをつかない」がともに67%、続いて、「好き嫌いなく食べる」が65%、「お箸を正しくもつ」が58%、「食事の前や後にあいさつをする」が50%などの順でした。

この結果には、男女や年齢層による違いがあり、例えば、「食べ物を残さない」は高年層(60歳以上)では男性79%、女性73%に対して、若年層(16 歳から29歳)は男女とも62%でした。また「食事中は静かにする」は、高年層では男性39%、女性42%に対して、若年層では男女とも11%で年齢層によって大きな違いがありました。高年層のほうが多くの項目を上げていて、高年層の男性は平均5.1個、女性は5.3個の項目をあげたのに対して、若年層の男性は4.4個、女性は4.6個となっています。今の高年層のほうが食事に関して注意されることが多かったと言えます。

男女で比べると、年齢層にかかわらず女性のほうが注意されていた項目が多く上がっています。そして、注意されていた内容にも男女の違いがあり、男性で高いのが「食べ物を残さない」と「好き嫌いなく食べる」でした。一方、女性で高いのが「食卓にひじをつかない」「食事の前や後にあいさつをする」「食事をしながらほかのことをしない」「音を立てて食べない」「食事中に席をはずさない」の5つの項目でした。女の子にはお行儀よく育って欲しいと思う傾向が強いことが読み取れます。

担当部長 中瀬剛丸