社会や政治に関する世論調査

小泉改造内閣の評価と課題

~’05.11政治意識月例調査から~

去年10月31日、小泉総理大臣は自民党の役員人事と内閣改造を行い、第3次小泉改造内閣を発足させました。去年11月の月例政治意識調査で、今回の党役員人事と内閣改造について聞いたところ、6割近い人が「評価する」と答えました。

小泉総理大臣による今回の人事をどう評価するか聞いたところ、「大いに評価する」が9%、「ある程度評価する」が50%で、あわせて59%の人が「評価する」と答えました。一方、「まったく評価しない」は8%、「あまり評価しない」は25%で、あわせて33%の人が「評価しない」と答えています。

「(大いに+ある程度)評価する」と答えた人に、その理由を尋ねました。「派閥のバランスにとらわれずに経験豊富な人材を適材適所で登用したから」が 48%で最も多くなりました。一方、「(まったく+あまり)評価しない」と答えた人の理由は、「年金改革などの重要な政策に取り組んでいこうという姿勢が見えないから」が47%で最も多くなりました。

派閥の力関係に配慮した人事をしなかったことが評価される一方、年金などの社会保障政策に対する姿勢を疑問視する声も少なくないことがわかります。新しい内閣に最優先で取り組んでほしい政策は何かと聞いたところ、「年金や医療などの社会保障政策」と答えた人が42%と、他を大きく離して最も多くなっています。次いで「景気対策」と「公務員削減などの行政改革」がともに15%でした。新しい小泉内閣の当面の課題としては、国と地方の役割を見直す、いわゆる三位一体の改革や、国家公務員の人件費の削減などがあげられます。今回の調査結果からは、こうした改革にもまして、年金や医療などの社会保障の改革に対する期待が大きいことがわかります。

編成世論 小林利行