社会や政治に関する世論調査

薄れる被爆の記憶・高まる核戦争への不安

~「広島・日本・アメリカ原爆意識」に関する調査から~

広島と長崎に原子爆弾が投下されてから60年の今年、NHKでは、広島市民・日本国民・アメリカ国民を対象に原爆や核兵器に関する意識調査を実施しました。過去の調査結果との比較や、調査結果を年層別に見ることでわかったことを報告します。

広島に原爆が投下された年月日を答えてもらったところ、昭和20(1945)年8月6日と正確に答えられたのは、広島で74%、日本で38%でした。広島市民でさえ、4人に1人が答えられませんでした。正確に答えられた広島市民の割合を時系列でみてみると、1990年80%、1995年77%、2005年 74%とゆるやかに減少する傾向となっています。60年という時の流れなのかで記憶の風化が徐々に進んでいるという現状が浮き彫りになっています。

日米の調査結果を比べると、原爆や核兵器に関する意識の違いが明らかになりました。原爆投下は正しい判断だったかと尋ねたところ、「明らかに正しい判断だった」と答えた人は、日本では1%なのに対して、アメリカでは22%でした。ただ、これを年層別に見てみると、アメリカでは、若い人ほど「正しくない」と思う人が多くなり、日本の考え方に近づくという構図になっています。こうした傾向が今後も続けば、日米の意識の差も縮小することになると思われます。 「核戦争」についても聞きました。核戦争が起きる可能性について尋ねたところ、この10年間で「かなりある」と答えた人が、日本で27%から48%、アメリカで42%から56%に増えていました。「かなりある」と思う理由については、「核兵器がある限り使用される恐れがあるから」が日本で57%、アメリカで 43%と日米双方で一番多くなっていました。

編成世論 小林利行