個人視聴率調査

幼児はテレビをどう見ているか

~平成22年6月「幼児視聴率調査」から~

6月に実施した「幼児視聴率調査」の結果から、2~6歳の幼児のテレビ視聴の現状について報告します。「幼児視聴率調査」は、教育テレビで幼児向け番組の集中編成が始まった1990年以降ほぼ毎年調査しているもので、今年は、東京30キロ圏の幼児1,000人を対象に、6月7日(月)~6月13日(日)の1週間実施しました。

2~6歳の幼児が1日にテレビを見る時間は2時間5分(週平均)で、前年と変わりませんでした。また、1週間に少しでも教育テレビを見た幼児は77%で前年と同程度でしたが、民放では、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京の週間接触者率が前年に比べて低くなりました。

幼児がテレビをよく見る時間帯は朝と夕方から夜にかけてで、いずれも幼児向け番組とアニメ番組が放送されている時間帯です。よく見ている番組は、「サザエさん」「ちびまる子ちゃん」など民放のアニメ番組と、「おかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」など教育テレビの幼児向け番組です。年齢別にみると、「ちびまる子ちゃん」は年齢を問わずよく見られていますが、2歳では、「ちびまる子ちゃん」以外、上位10番組のうち9本が教育テレビの番組でした。3歳、4歳では、「サザエさん」「ドラえもん」が上位に上がってきましたが、今年は、ワールドカップ放送のため、子どもに人気がある「仮面ライダー」「プリキュア!」が休止したこともあり、全体に教育テレビの番組がよく見られました。5・6歳になると、民放の番組がぐんと増え、上位10番組のうち、教育テレビの番組は3本だけになります。

教育テレビでは今年度、平日・朝の番組の大幅な移設を行いました。子どもの生活実態に合わせて番組を編成した結果、7時台後半の視聴率が前年に比較して高くなり、また、NHKの幼児番組についての意見・要望でも、放送時間の移設を歓迎する意見が多く寄せられました。その他、土曜朝の「アニメ おさるのジョージ」は、放送時間が8時台後半に移りましたが、視聴率は前年に比べて増加し、特に、5・6歳で大幅に高くなりました。

世論調査部(視聴者調査) 山田亜樹