調査手法の研究

郵送法調査における中間的選択肢の研究

~郵送実験調査による分析~

従来、世論調査は個人面接法で行われていたが、最近では、郵送調査法が増えてきた。

本研究では、2010年の郵送実験調査に基づき、中間的選択肢の回答率や他の選択肢の回答率の差から得られる質問の特徴を整理しなおすとともに、郵送調査の中間的選択肢を回答する人の特徴を分析する。

中間的選択肢は、その時々の状況によって回答が異なるような質問、ふだん考えないような内容の質問などで回答が多く、日常的な実態についての質問などで、回答が少なくなることを確認した。中間的選択肢を提示しない場合、大小のバランスは変わらないことが多いが、選択肢の内容などによって、提示した場合と比べて、好ましそうにみえる選択肢など、一方に回答が集中する場合があった。

また、性・年層などの属性で中間的選択肢を選びやすい人がいるのではなく、その質問に関連した状況にある場合や、態度や意見を持っているかどうかで、中間的選択肢が選ばれていることがわかった。今回の調査では、対象とした質問にテレビに関連のある質問が多いこと、調査相手が単身者の場合には明らかに回答が決まってくるような質問が含まれていたことなどが影響していた。

世論調査部 小野寺典子