生活時間調査

テレビとの向き合い方別にみる20・30代の視聴者像

~生活時間調査「テレビと気分」から~

生活時間調査「テレビと気分」(2008年10月実施)のデータをもとに、テレビとの向き合い方で、20・30代の平日(月曜)の生活行動や気分がどのように異なるかを探りました。最近の研究によると、20代でテレビに関与の薄い見方が進行していると報告されています。「テレビと気分」調査の結果では、テレビの行為者率・時間量は、男女20代に加え男30代でも少なく、“テレビをあまり見ない、関与の薄い見方をする”傾向は、30代にも進行しているのではないかと考えました。なお、今回の分析では、テレビ視聴に影響を与えるライフステージを制御するため、分析対象を「子どものいない人(以下、子なし)」に限定しました。

20・30代(子なし)を“テレビとの向き合い方”(=「テレビ関与度」)でグループ化するにあたっては、「テレビと気分」調査の付帯意向調査を利用して 1. テレビ好きG 2. 環境的G 3. 希薄G のグループに分けました。グループごとに生活行動や気分、夜間のテレビ視聴をみると

  1. テレビ好きG・・・人間関係は比較的良好な人が多い。テレビ視聴時間における“リラックス”の割合は高い。夜のメディア利用はテレビとインターネットにほぼ集中している。
  2. 環境的G・・・テレビ好きG と視聴時間に差はない。夜はテレビだけでなくあらゆるメディアを利用し、深い時間帯にはテレビとインターネットを並行して利用する人も多めである。
  3. 希薄 G・・・テレビの行為者率は50%を切るため、視聴時間も少ない。夜遅くに働き、テレビを視聴できない環境の人もある程度存在する。一方で、他のグループより早い時間帯にテレビのスイッチを切り、他のメディアを利用する人もいる。

以上の特徴がみられました。

テレビ好きGと希薄Gの違いは①コミュニケーションの量や質 ②夜の自由時間の長さ ③多様なメディアを利用するか ④テレビ視聴時の“リラックス”の割合があげられます。これらの要素が絡み合い、テレビへの関与度が異なっているといえそうです。

世論調査部(視聴者調査)諸藤 絵美