放送に関する世論調査

テレビ番組に対する意識・評価の現況

~2012年6月「番組総合調査」から~

2001年から継続して実施している「番組総合調査」について,最新調査(2012年6月)の結果を紹介し,視聴者のテレビ番組に対する意識・評価について考察する。この調査は,NHK総合と地上波民放5局の夜間の定時番組(203番組)を対象に,番組の認知率,視聴経験率,満足率,視聴印象などをたずね,視聴者がどのように番組を評価しているかを多面的に測定しようとするものである。
結果を見ると,認知率と視聴経験率が最も高い番組は「NHKニュース7」で,上位番組の顔ぶれは,例年と大きく変わらない。満足率については,昨年同様の傾向で,NHK・民放問わず,ドラマが上位に入った。また,上位10番組中8番組がNHK総合の番組である。「視聴印象」について全番組の平均回答率をみると,全10項目中〈くつろげる・リラックスできる〉が最も高く,具体的な番組では,民放局のバラエティー番組が上位に上がっている。さらに,視聴経験者に占める自発的視聴者の割合(自発的視聴指数)を算出すると,「イ・サン」が最も高かった。

本稿では満足率と視聴印象の関係についても考察を試みた。満足率上位30番組と全番組の視聴印象の平均を比較すると,〈感動できる・心に残る〉や〈丁寧に取材・制作されている〉が満足率の重要な要素であることが推定できる。

編成局(編成センター) 林田将来