放送に関する世論調査

20代はテレビをどうとらえているのか

~インターネットの広がりの中で~

2007年8月号で報告した「ネットワーク社会の中のテレビに関する世論調査」の結果を中心に、20代のテレビ視聴の実態やテレビに対する意識について分析した。

20代のテレビ視聴時間はここ20年ほどの間で目立った変化はなく、増加や減少といえるような一貫した傾向はみられない。また、20代は全体に比べてテレビ、ラジオ、新聞といったマスメディアへの接触が少ない一方で、音楽メディアやインターネットをよく利用している。

メディアに対する評価をみると、20代はインターネットの評価が全体よりも高めであり、「ふだん表に出ない情報を知ることができる」や「仕事や生活に必要な情報を入手する」などの情報探索の面で特に評価が高い。そのほか「気軽に楽しむ」、「時間をつぶす」など、娯楽・慰安の面でもインターネットがある程度評価されている。

しかし、20代でもテレビについての評価は全体と同程度で、評価が低いわけではない。テレビは「世の中の出来事や動きが分かる」、「人と共通の話題が得られる」や、娯楽・慰安の面で評価が高い。

20代は場面に応じてテレビやインターネットなどのメディアを使い分けており、今後も上記のようなテレビの評価はあまり変わらないと思われる。しかしビデオ配信やオンラインゲームなど、娯楽としてのインターネット利用が大幅に増えた場合には、テレビの視聴時間や評価にもかなり影響があるのではないだろうか。

専任研究員 荒牧央