海外放送事情

シリーズ 公共放送インタビュー

【第4回・アメリカ】クリストファー・スターリング氏(ジョージ・ワシントン大学教授)に聞く

~多メディア時代の“小さな公共放送”の役割~

ジョージ・ワシントン大学のクリストファー・スターリング(Christopher H. Sterling)教授は、1943年ワシントンDC生まれ。2年間のFCC(連邦通信委員会)勤務を含め、これまで40年にわたって、アメリカの放送・通信の歴史と政策に関する研究を行ってきた。特に、放送が政府や国民、産業に与える影響や、教育効果、規制のあり方、技術革新などを主要な研究テーマとしている。

日本のNHKやイギリスのBBCが全国をあまねくカバーする“大きな公共放送”であるのに対して、商業放送が圧倒的な力を持つアメリカでは、各地で独立して活動する公共放送局をゆるやかに結んだテレビのPBS、ラジオのNPRは、“小さな公共放送”と言える。 スターリング教授に、○PBS、NPRのそれぞれの特徴と違い、○多メディア時代の多様なプラットフォーム展開、○新聞をはじめとする既存ジャーナリズムの危機、○アメリカにおける公共放送の存在意義、などについて聞く。そして、長引く不況とインターネットの興隆の中で、改めて見直される公共的メディアの役割について考える。

メディア研究部(海外メディア研究) 柴田 厚