海外放送事情

世界の地上デジタル放送の現在

~現状・課題・展望~

2011年7月24日の地上アナログ放送終了まで1,000日を切り、日本国内では、いかに受信者側をデジタル移行するかが主要な課題となっている。一方、海外に目を向けると、数年の時間差はあるにしても、放送のデジタル化は大きな世界的潮流と言える。

現在、地上デジタル放送をすでに行っているのは、地域別に見ると、ヨーロッパではイギリスをはじめとする22か国、北中南米ではアメリカ、ブラジルなど4か国、アジア・オセアニアでは日本、韓国、中国など8か国・地域、中東ではサウジアラビア、イスラエルなどとなっており、2008年には新たに5か国で始まった。一方で、ヨーロッパのオランダ、スウェーデン、ドイツなど7か国では、すでにアナログ放送を終了し、完全にデジタルに移行した。本稿では、「ヨーロッパ」「アメリカ」「アジア」の3つの地域について、地上デジタル放送の現状とアナログ放送終了への取り組みを中心に報告する。

海外メディア研究グループ