海外放送事情

BBCの意識改革③

創造性と視聴者理解はいかにして達成されたか

~実施に当たったリーダーの語るMaking It Happenプロジェクト(2)~

1月号・2月号と紹介してきた、イギリスのBBCの「なせばなる」(Making It Happen)プロジェクトについての報告の最終回。今回は、2002年に開始されたこの職員意識改革プロジェクトの後半に深くかかわった、キャロライン・ヴァン・デン・ブルルさんによる報告です。

著者のキャロライン・ヴァン・デン・ブルル(Caroline van den Brul)さんは、25年以上にわたってBBCの番組制作に携わり、ディレクター、プロデューサー、エグゼクティブ・エディターとして様々なドキュメンタリー番組を手がけました。2003年から、ダイク前会長の下で、Making it Happen プロジェクトの一環である新たな創造性プロジェクトのリーダーを勤めました。2006年2月、BBCを退職、組織の創造性の向上と変革の実現をめざす組織の指導者やチームをサポートするコンサルタント会社Creativity by Designを設立しています。 BBCのMaking it Happenプロジェクトは、世界中の公共部門および民間組織の関心を集め、各地で類似の試みが行われています。この稿では、ブルルさんが担当した同プロジェクトの創造性作業部会の活動を中心に、BBC職員の意識を変えるためにどのようなことが行われたか、その結果、どのような変化が起こり、どんな成果が得られているかなどについて、具体的に報告していただきました。

内容・目次

 第2章 創造性と視聴者理解はいかにして達成されたか

  1. はじめに
  2. 意識改革への私の道のり
  3. 創造性開発チーム
  4. BBCの外から学ぶ
  5. BBCの内部に目を向ける
  6. 視聴者との絆を深める
  7. 「先駆け」のグループ・セッション
  8. Making It Happenの実施
  9. 大ブレーンストーム
  10. 創造力向上と視聴者理解のトレーニング
  11. 事例: ラジオ番組World Class
  12. 結論として、

この原稿の原文は、2月号に掲載したスーザン・スピンドラー(Ms. Susan Spindler)さんの「Making it Happen―組織変革への自助的アプローチ」(原題:1. Making It Happen - a self-help approach to organisational change)とともに、Making It Happen, Creativiry and Audiences - A BBC Case Studyとして、近刊の英文研究誌NHK Broadcasting Studies No. 5に掲載される予定です。

主任研究員 横山 滋