ことばの研究

“卵焼き”より“玉子焼き”

~日本語のゆれに関する調査(2013年3月)から①~

2013(平成25)年3月におこなった「日本語のゆれ調査」の結果の一部について、考察を加えながら2回に分けて報告する。

▼「ウ」に濁点を付けて表記する「ウ濁」は、高年層ではあまり用いられない傾向が見られる。

▼「回転すし」と書いて[カイテンズシ]と言うという「表記と発音の不一致」はどの年代でも一定程度を占めているが、全体としては「回転ずし」と書いて[カイテンズシ]と言うという「表記と発音の一致」が優勢であり、その割合は若い年代になるほど高くなっている。

▼「からあげ」の漢字表記は、若い年代になるほど「唐揚げ」が多く選ばれている。

▼「たまごやき」「しょうゆ」を「卵焼き」「正油」と書くのは、女性のほうが多い。

▼「ご理解【くださいますよう】お願いいたします」という言い方が比較的高年層に多く選ばれているのに対して、「ご理解【いただけますよう】お願いいたします」は若い年代に多い。

▼「事実を【知れて】よかった」「あの映画には【感動できた】」など、従来はさほど見られなかったような可能表現の使用が、若い年代によく見られる。

メディア研究部 塩田雄大・山下洋子