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Netflix,仏・独などでVOD配信事業開始

インターネットによるコンテンツ配信事業大手のアメリカのNetflixは,これまでのイギリスや北欧,オランダなどに加えて,2014年9月,フランスやドイツなどでも,VOD(ビデオオンデマンド)サービスを開始した。

開始日はフランスが9月15日,ドイツがその翌日で,9月中にオーストリア,スイス,ベルギー,ルクセンブルクでもサービスが始まった。

契約は3種類で,視聴するデバイスがスタンダードな画面の場合,月額7.99ユーロ(1,100円),ハイビジョン画面の場合は8.99ユーロ(1,230円),4Kテレビで視聴できる場合は11.99ユーロ(1,650円)と設定されている。契約者はパソコン,タブレット,スマートフォン,ゲームコンソールなどで,Netflixが保持する約2,000本の長編映画や500ある連続ドラマなどを視聴できる。

フランスでは映画産業保護のため,放送及びVODの事業者は,視聴覚税の納付が義務づけられているが,Netflixはオランダのアムステルダムに欧州の事業本部を設置しているためフランスでの納税の義務がない。このためフランス政府はNetflixに対して,何らかの形で経済面や文化面で貢献するよう求めていた。これに対してNetflixは,フランスのマルセイユで連続ドラマを撮影し制作すること,パリのプロダクションPrime Entertainmentから100時間のパッケージのフランス語の番組を買い取ることなどで,フランスの文化と雇用に貢献するとしている。

Netflixは将来ドイツでもオリジナルの番組を制作したいとしている。

新田哲郎