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沖縄県に台風による初の「特別警報」

7月7日午後6時20分,台風8号の接近に伴い,気象庁は沖縄県の宮古島地方に暴風と波浪の特別警報を発表した。続いて沖縄本島地方には8日にかけて波浪,暴風,高潮,大雨の特別警報を次々と発表した。

台風による特別警報は数十年に一度という猛烈な勢力の台風が近づくおそれがある場合に,最接近や上陸のおよそ6~12時間前に発表される。沖縄の場合には,台風の中心気圧910ヘクトパスカル以下または最大風速60メートル以上が発表の目安である。台風による特別警報が出されたのはこれが初めてである。

放送各社は速報の対応に追われた。このうち,NHKテレビは,地域向けに総合テレビとEテレで,全国向けには総合,Eテレ,BS2波で字幕速報した。一方,NHKラジオは,地域向けにラジオ第1とFMで,全国向けに第1と第2,FMで通常番組を中断して速報した。風雨が激しくなる前の早めの安全確保を呼びかけ続けた。

9日午前3時前,特別警報はいずれも解除され,警報や注意報に切り替えられた。直後から避難勧告を解除する自治体が相次いだ。しかし,明け方から沖縄本島では猛烈な雨が降り出した。午前7時半過ぎ,気象庁は再び大雨特別警報を発表した。この大雨特別警報は,台風ではなく短時間の降水量を目安にしたものだ。児童の登校時間で,各市町村には休校になるのかどうか問い合わせが殺到した。

解除のタイミングは適切だったのか,特別警報の意味が自治体や住民に分かりやすいものとなっているのか,地道な検証が必要であろう。

福長秀彦