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英BSkyB,独・伊の衛星事業 合併で“Sky Europe”へ

グローバル・メディア王のルパート・マードック氏の傘下にある,イギリスの衛星デジタル放送運営会社BSkyBは7月25日,姉妹会社であるドイツのSky DeutschlandとイタリアのSky Italiaの2社を吸収合併し, “Sky Europe”を形成すると発表した。

マードック氏のメディア帝国の映像部門である21st Century Foxは,BSkyBの株式の39%を所有するとともに,Sky Deutschlandの株式の57%,Sky Italiaの株式の100%をそれぞれ所有している。今回の買収では,BSkyBが21st Century Foxから2社の株式を受け取る代わりに,約50億ポンド(約8,700億円)を支払い,さらにBSkyBが所有するNational Geographic Channelの株式21%を21st Century Foxに譲渡することにした。またBSkyBはSky Deutschlandの残り43%の株式も市場から1株6.75ポンドで買収し,完全子会社化する方針を公表した。BSkyBはこの買収に備え,イギリスの商業テレビITVの持ち株6.4%を米Liberty Globalが所有するケーブル・通信事業のVirgin Mediaに売り,4億8,100万ポンドの資金を得ていた。

BSkyBの発表によると,イギリス・アイルランド向けSky Digitalの加入件数は1,150万,Sky Deutschlandは370万,Sky Italiaは480万で,合併後の“Sky Europe”の加入件数は2,000万となり,その事業収入は110億ポンドを超える。今回の買収について,「BSkyBを実質的に経営するマードック氏のヨーロッパ有料テレビサービス支配への布石」,あるいは「米メディアの巨人Time Warner買収のための資金調達」との観測が出ている。

中村美子