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4K試験放送開始

6月2日,4K試験放送「Channel 4K」が始まった。1日約6時間,13時から19時の間に次世代放送推進フォーラム(以下NexTV-F)加盟の放送局が制作した4K番組や2014FIFAワールドカップ4試合が放送されている。

視聴の方法は,パブリックビューイングと,対応チューナーなどをそろえて家庭のテレビで見るという2通りがある。

前者は,NexTV-Fが7月にかけて東京・丸の内のイベントスペースで,J:COMやジャパンケーブルキャストなどのケーブルテレビ事業者やインターネットサービス事業者のNTTぷららが,自社関連の展示会場や視聴スペースを設けて行っている。7月15日現在,全国33箇所以上で視聴できるようになっており,今後も増える見込みである。

後者の家庭での視聴では,4K放送に対応したテレビ,HDMI2.0ケーブル,スカパー!プレミアムサービスに対応したアンテナとICカード,対応チューナーが必要となる。なお,対応チューナーは6月25日にようやく1社から発売が開始されたばかりであり,7月14日現在でChannel 4Kのコールセンターでの視聴登録は200件余りとなっている。

2013年6月に発表されたロードマップのスケジュールになんとか間に合った試験放送だが,普及に向けては課題が山積している。対応テレビ購入後,実際に放送を受信するまでのハードルをどれだけ下げられるか。また魅力的な4Kコンテンツを継続的に制作していくための体制作りをどう進められるか。総務省では現在,フォローアップ会合が行われている。今後の動きに注目していきたい。

松本和也