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在京民放5社とNHKテレビ情報アプリを共同開発

日本テレビ,テレビ朝日,TBSテレビ,テレビ東京,フジテレビの在京民放5社とNHKは3月28日,共同開発したスマホ向け無料アプリ「ハミテレ」の提供を開始した。このアプリには,全局の番組表や上記各放送局からの公式番組情報が見られるだけでなく,ネット上のテレビに関する記事等の閲覧や,番組予約をすれば視聴時間に近づくとアラームでお知らせするなどの機能が含まれている。

注目されるのは,アプリで表示される記事や情報の決め方。内容は5分ごとに更新され,SNSでのシェア状況や,オンエア時間との近さ,プレゼント情報や動画が含まれているかなどの様々なパラメーターをアルゴリズムに従って機械的に処理することで,掲載順などを決めている。これは「ハミテレ」を開発した,各局から集まったワーキングチームの「テレビ局の見せたいものではなく,ユーザーが見たいものを優先する」という考えが反映されたものである。機械的に情報を処理していくため,時にはある局の情報が偏って表示されたり,ネガティブな情報も表示されたりすることもあるが,そこには原則として手を加えない方針だという。

このようなアプリが生まれた背景には,特に若年層で進んでいると言われるテレビ離れを食い止めたい,テレビを見てもらうきっかけを作りたい,という各局の共通の危機意識があったといえる。

こうした各局連携の動きが,今後のテレビ放送の新たな共通プラットフォーム作りにまで発展するかどうか注目したい。

松本和也