メディアフォーカス

『明日,ママがいない』 BPOの対応は?

2014年3月12日まで放送された日本テレビ系列のドラマ『明日,ママがいない』をめぐっては,これまでBPOの2つの委員会で議論が行われてきた。放送人権委員会に対しては,熊本市の慈恵病院が,ドラマの舞台となった児童養護施設の施設長の発言や態度,子ども達のあだ名が,実際に施設で暮らす子ども達や働く職員の人権を傷つけるとして,第1回放送後に放送中止の申し立てを行ったが,委員会では審理入りするか否かを放送終了後も決めておらず,5月20日に結論を出す予定であるという。

青少年委員会では,当初は視聴者から厳しい批判を受ける問題点を抱えていたものの,次第に視聴者の共感を得ていったとして審議対象にしないと決定。しかし4月8日,異例ともいえる『“子どもが主人公のドラマ”に関する「委員長コメント」』を発表し,「ドラマによって,心の傷を深めたり再発した可能性のある子どもがいるということが示されている以上,(中略)放送局側は,番組が終わった段階で,あらためて誠意ある態度を示すことが求められている」と見解を示した。また「視聴者からの批判が,提供スポンサーにまで影響を及ぼすということが安易に行われると,番組制作自体が次第に成り立たなくなっていく可能性が生じる」と,4回以降全CMが放送されなかった事実にも踏み込んだ。

日テレは社長会見で,最終回への反響の78%が肯定的であり,このような形で終わることができたことにほっとしているとしたが,このドラマがテレビ文化とそれを取り巻く社会に投げかけた課題は根深い。BPO放送人権委員会の判断も含め引き続き考えたい。

村上圭子