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フジテレビ『ほこ×たて』BPO「重大な放送倫理違反」

BPO放送倫理検証委員会は,フジテレビが13年10月に放送した『ほこ×たて 2時間スペシャル』のラジコン対決について14年4月1日,「重大な放送倫理違反があった」という意見を公表した。

これは,13年10月20日に放送されたフジテレビのバラエティー番組『ほこ×たて 2時間スペシャル』の「どんな物でも捕えるスナイパーVS絶対に捕えられないラジコン」というコーナーの出演者が,編集で対決内容が「偽造された」とホームページで明かしていたもの。

番組では,日本人が操縦するラジコンカーとラジコンヘリコプター,ラジコンボートをアメリカ人の狙撃手が一定時間内に実弾で狙撃できるかを競ったが,フジテレビは社内調査の結果,「視聴者の期待と信頼を裏切った」として,番組を打ち切った。

BPOでは13年12月に審議対象にすることを決め,調査では,編集段階で実際にはなかった対決が,切り貼りされ放送されていたことが明らかになった。さらに,番組の制作は制作会社に「丸投げ」となっていたことも判明した。フジテレビの局内チェックが機能しなかったことについて,BPOは「放送局としての存在感の希薄さ」に「驚かされた」としている。

こうした経緯を踏まえ,BPO放送倫理検証委は「番組の制作過程が適正であったとは言い難く,重大な放送倫理違反があった」と結論づけた。意見の公表を受けフジテレビでは,「重く受け止め,今後の番組制作に生かしていく。全社一丸となり,再発防止に取り組む」というコメントを公表した。

関谷道雄