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仏,サッカー放送権高額落札Canal+とアルジャジーラで分け合う

フランスでは,サッカーの放送について,既存の有料放送Canal+と,新興のアルジャジーラ傘下の放送局が激しい獲得競争を繰り広げ,放送権を双方が分け合う形で落札した。

フランスのプロサッカーリーグ,LFPは4月4日,2016年から2020年にかけての4シーズンの国内リーグの試合の放送権料について,前回に比べ約20%高い7億2,650万ユーロ(約1,010億円)で落札されたと発表した。この放送権については有料放送最大手のCanal+と,2012年6月からフランスの放送界に参入したアルジャジーラ傘下の有料放送beIN Sportsが激しく競り合った。その結果,1部リーグの主な試合の国内向けの放送についてはCanal+が5億4,000万ユーロで,また1部リーグの残りの試合と2部リーグの試合についてはbeIN Sportsが1億8,650万ユーロでそれぞれ獲得した。

一方, ヨーロッパのサッカー選手権大会UEFAチャンピオンズリーグの2015年から2018年にかけての3シーズンのフランス国内向けの放送権も,4月中旬落札された。日刊紙フィガロによると,シーズン中の火曜日に行われる18試合と決勝戦の放送権についてはbeINSportsが,水曜日に行われる16試合の放送権についてはCanal+がそれぞれ落札した。

落札額についてCanal+は5,000万ユーロ以上としているが,beIN Sportsは公表していない。アルジャジーラ傘下のbeIN Sportsは,オイルマネーを背景とする豊富な資金力でサッカー,ラグビー,カーレースF1などのテレビ放送権獲得に積極的に乗り出し,既存の放送局と激しく争っている。

新田哲郎