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政府 放送法等改正案を国会へ提出

政府は,2014年3月14日,放送法及び電波法の一部を改正する法律案を国会に提出した。2007年改正法附則での検討・見直し規定を受けて,総務省が2012年11月に設置した「放送政策に関する調査研究会」による第一次,第二次取りまとめで,制度整備を求めた事項に対応 するもの。

改正法案の概要としては,民放関係で,経営基盤強化計画の認定制度の創設がある。チャンネル数の確保困難が予想される地域において,総務大臣が個別に計画を認定し,再免許審査要件の一部緩和等,放送法等の特例措置を適用することで,放送局の自主的で柔軟な経営合理化を可能にする。民放関係の他の改正点として,認定放送持株会社の認定要件の議決権保有割合,資産要件の緩和等がある。

NHK関係では,国際放送関係の改正としてNHKワールドTVの国内放送事業者への提供業務の任意業務化,また,テレビ国際放送の開始時等での手続きの一部簡素化がある。

また,インターネットでのコンテンツ提供では,従来は原則として放送済みコンテンツに対象が限定されていたが,テレビの「常時」同時送信を除き,放送前,放送同時も提供対象とされた。この業務をNHKの自主・自立を尊重しつつ,適正な範囲で実施させる仕組みとして,総務大臣の認可を受けてNHK が定める「実施基準」に従った業務実施,また,事後規制制度として,NHK自身の定期的な業務見直し,総務大臣の勧告制度創設等が規定された。なお,「実施基準」の認可審査で,総務大臣は法定の審査基準に該当する限り認可する旨を規定し,行政の裁量を限定している。

山田 潔