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ドイチェ・ベレ,大規模な改編計画発表

ドイツの国際放送ドイチェ・ベレ(DW)は1月20日,英語放送の拡充を柱とする大規模な改編計画を発表した。DWは,英・独・スペイン・アラビアの4言語でテレビ放送を行うほか,インターネットやラジオも合わせると28言語で情報発信を行う公共放送機関である。

計画では,DWの中核となる目標は各国の決定権者やオピニオンリーダーへの影響力を高めることであるとして,英語を報道の“旗艦”言語であると位置づけている。そして英語のテレビ放送とオンラインサービスを拡充し,テレビニュースを拡大し,放送回数も増やす。4言語のテレビ番組の大幅な改編も行う。

計画ではさらに,情報発信の重点対象地域をアフガニスタン,中国,イラン,アフリカ,アラブ諸国,ロシア,中南米,トルコ,ヨーロッパの紛争地域としている。一方で,ベンガル語とアフリカ向けポルトガル語のサービスを廃止するほか,一部の言語でラジオないしオンラインサービスを廃止する。ドイツ語は規模を維持するものの,国内の公共放送機関との提携を拡大して経費を削減する。

また,海外におけるドイツに関する情報には背景説明が不足しているとして,ドイツ的な視点からの解説を強化する。そのためオンラインサービスは,解説と対話に重点を置いたブログやソーシャルメディアへと移行する。

DWは2011~12年にも大幅な改編を実施してテレビ放送の拡充を図ったが,今回の改編は国際競争力強化のためにあらためて事業を見直して経営資源の再配分を行うもので,具体策は2014~17年の4か年業務計画に盛り込まれる予定である。

斉藤正幸