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独,放送負担金収入は1%増で「正確な着地」と予測

ドイツの公共放送ARD,ZDF,ドイチュラントラジオは10月4日,従来の放送受信料に替わって2013年1月に導入された全世帯徴収の放送負担金の収入予測を初めて公表し,期待通りの収入規模になる見込みだとした。

公共放送によれば,2013年の放送負担金収入は75億7,000万ユーロ(約1兆260億円)となり,2012年の受信料収入より8,000万ユーロ(約110億円)増え,約1%増となる見込みである。内訳は,世帯からの収入は微増,事業所からの収入は微減するという。公共放送は,1%増という数字は一般物価上昇率より低く,また2009年から2012年まで受信料収入が1.5%減になっていたことを考慮に入れると,多すぎもせず少なすぎもしない,期待通りの「ほぼ正確な着地」だと評価した。

全世帯徴収の新制度に移行するにあたっては,移行後も公共放送の収入は必要以上に増減しないことが条件とされていた。しかし,新たに支払い義務が課される世帯や,逆に支払い額が減る世帯の数の算定に十分な統計データがなかったり,また事業所についても受信機台数から従業員数に応じた徴収に変わるなど不確定要素が多く,正確な収入予測は難しかった。2013年からの放送負担金の額は,従来の月額受信料17.98ユーロ(約2,400円)のまま据え置かれたが,もし必要以上の収入増減が出た場合は,2015年に額の調整を行うことになっている。

この後,最終的な収入状況の確認と,調整が必要かどうかの判断は,2014年に入ってから独立委員会のKEF(公共放送財源需要審査委員会)が行うことになる。

杉内有介