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フランステレビジョン,中長期計画修正

公共放送フランステレビジョン(FTV)は,前政権時代に作成された中長期計画にあたる目標手段契約(COM)について後半期の計画を見直し,経費削減と要員合理化をより進めることで現政権との間で合意した。

COMは,公共放送会社と政府とが向こう3~5年間の事業計画を協議して決め,その代わりにその手段すなわち財源を国家が保障するというもの。現行のCOMは保守のサルコジ政権時代に調印されたもので,2011年から2015年の5年間,目標達成のため毎年平均で2.2%の予算増が保障されていた。

しかし,政府の財政状況が悪化するなかで,オランド社会党政権は,政府補助金を大幅に引き下げる方針で,2012年末ごろからFTVのフリムラン社長らとの間で話し合いを進めてきた。

その結果,多様な番組提供やデジタル分野での発展などの目標について変更はないものの,2013年からの3年間については,2015年に収支が均衡となるよう当初の契約より4%余り少ない毎年2%の予算削減をFTVが受け入れることで両者が合意し,この修正案が7月11日,FTVの経営委員会に提出された。

この文書に具体的な数値目標は明記されていないが,2015年に収支均衡を達成するためにFTVは3年間で3億ユーロ(約390億円)の経費削減を行う必要があると見られている。また職員については,希望退職などによって2013年4月の時点で1年前より300人減って1万200人となっているが,2015年には9,750人にまで減らす必要があるという。このCOMの修正案は最終的には議会の承認を得て2013年秋ごろ調印される見通しだ。

新田哲郎