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文化庁,中国における著作権侵害等実態調査の報告書を公表

コンテンツ海外展開の促進が進められるなか,海賊版が正規流通の疎外要因のひとつとされる。効果的な海賊版対策を企画・立案する上での基礎資料とするため,文化庁では中国における日本コンテンツの著作権侵害実態調査を実施し,5月24日に報告書を公表した。

これまで海賊版実態調査は,コンテンツホルダー側への調査が中心であったとして,今調査では,中国の消費者に対するWEB 調査等を,対策への有効性等から北京,上海,広州,重慶の4都市で実施。映像,音楽,ゲームソフト,出版のコンテンツ類型について,オンライン・パッケージの流通経路別に,侵害実態を調査分析し,それを基に侵害規模の推計も示した。また,著作権意識や正規版の有無と海賊版利用への影響等の意識調査も行われた。

報告書からコンテンツ類型中アニメを除くテレビ番組の状況をみてみると,正規・不正規を問わず日本のテレビ番組を入手,視聴した経験がある者は,ドラマで1割前後,バラエティ・ドキュメンタリー等で1割未満と中国ユーザーに浸透できていない実態が出ている。入手先は,動画投稿サイト,特定事業者のコンテンツ配信サイトが中心で,その選択理由は,無償,入手の容易性,画質等が挙げられている。

権利許諾の現状から,これらの大半は海賊版と推定されるが,調査によれば多くのユーザーは,正規版があれば正規版を入手すると考えていること等から,利用サイトへの正規版展開と,海賊版の削除要請を集中的に図ることが提言されている。

山田 潔