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放送ネットワークの強靭化検討会 提言まとまる

東日本大震災で役割が評価されたラジオの機能強化を検討してきた「放送ネットワークの強靭化に関する検討会」は5月30日,中間取りまとめのなかで提言をまとめた。提言の内容は,放送ネットワーク・経営基盤の強靭化,自治体との連携強化,新事業展開推進の4項目。難聴・防災対策としてのAMのFM活用と,周波数不足が長年の課題だったコミュニティー放送局(以下,CFM)開設については,ガードバンドとV-Low帯域の活用が明記された。検討会当初から話題を呼んだFM活用に対する財政支援については,提言上では明確に示されなかった。

5回にわたる検討会の議論で時間が割かれたのは,約20年で売上げが約半分に減少した県域AMを始めとする民間ラジオ事業者の経営強靭化であった。提言では,産活法の活用,放送対象地域の統合検討など,事業者に主体的な再編策を講じることを促す内容となった。

一方,検討会の議論には登場しなかったが,公設民営型CFMの開設及び既存局のハード整備に対し,2013年度から国が約3割の財政措置を行うことが決定した。背景には,防災行政無線の補完メディアとしての期待がある。

提言のまとめでは,今後のラジオ事業の展開として,ネット配信を意識した地域を越える「エリアフリー化」,地域をよりきめ細かくカバーする「メッシュ化」の2つの方向性が示された。この両極とも言える方向性に対し,県域というエリアを対象にこれまで事業を行ってきた民間ラジオ事業者はどのような主体的な再編策を講じていくのか,引き続き注目していきたい。

村上圭子