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米FCC新委員長にT. ウィーラー氏

オバマ大統領は5月1日,放送と通信に関する規制監督機関FCC(連邦通信委員会)の新しい委員長に,元ロビイストで通信業界団体などの代表を務めたトム・ウィーラー(Tom Wheeler)氏(67)を指名した。

ウィーラー氏は,1979年から5年間,全米ケーブル電気通信連盟(NCTA)の代表を務め,さらに1992年からの12年間は無線通信とインターネットの団体(CTIA)のCEOを歴任した。その後,ベンチャーキャピタリストとして,長年ハイテク企業に投資を行うなど,CATVから通信,ネットまで幅広い経験と影響力を持っている。2008年と2012年の大統領選では,オバマ氏のために合計70万ドル(約7,000万円)の選挙資金を集め,援助を行った。TIME誌などによると,ウィーラー氏は業界内部に精通し利益誘導の可能性があると懸念する声がある一方で,誠実な人柄と豊かな経験から,難しい舵取りを迫られるFCCのトップとして適材だと評価する声もある。

FCCは,爆発的に増加するスマートフォンやタブレットなどのモバイル利用に対応するため通信事業者に周波数帯域を提供する「周波数オークション」を来年(2014年)に予定しているほか,メディア所有規制を緩和するかどうかの判断,さらに,特定のコンテンツをネット上で規制することの是非を問う「ネット中立性」の議論など課題が山積しており,ウィーラー氏は就任早々それらへの対応を迫られることになる。正式な就任には上院の承認が必要で,それまでの間はFCCのM.クライバーン氏が,アフリカ系女性委員として初の委員長代理を務める。 

柴田 厚