メディアフォーカス

係争中のCMスキップ機能付きサービス,米ディッシュ社が全国販売へ

衛星テレビ全米2位のディッシュネットワーク社は2月11日,コマーシャルをスキップしてテレビ番組を視聴できるサービス,Hopper with Slingを全米で開始すると発表した。同サービスを巡っては,番組を提供する側のCBSなど4大ネットワークが,コマーシャル収入の減少につながるとしてサービスの中止を求めて裁判を起こしている。

Hopperは,ディッシュ社のセットトップボックスを設置してサービスに加入するとテレビ番組をCM 抜きで視聴でき,スマートフォンやタブレットなど携帯端末にも対応したもので,1月に開かれたCES(家電見本市)では“最も革新的な製品”として最高賞に選ばれた。しかし,審査を担当した技術系情報誌CNETの親会社CBSが,係争中のサービスを選ぶことに異議をとなえたため,CNETはHopperを一度は最高賞から取り下げた。ところが,これを報じたニュースで批判が高まったことから,CESの実行委員会はCNETを審査からはずした上で,改めてHopperを最高賞に選んだ。CESを主催するCEA(全米家電協会)は,「技術に関する公平な目をもった記者たちが,利用者に最大のメリットをもたらすという視点から選んだにもかかわらず,その判断をくつがえすのはショックだ」とCBSの対応を批判した。

Hopperを巡る裁判はまだ続いているが,今回の一件は,コマーシャルの取り扱いという商業放送局の収入の根幹に関わるだけに,視聴者に快適なサービスを提供することとの折り合いをどうつけるのか,裁判の行方が注目される。

柴田 厚