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台湾,地上アナログ放送を前倒しで終了

台湾では6月30日,全域で地上アナログ放送を終了した。台湾は2004年7月から地上デジタル放送を開始したが,ケーブルテレビの普及率が高くて地上デジタル番組の人気が出ず,受信機の普及が進まなかったため,アナログ放送の終了予定はたびたび延期されていた。しかし,2012年7月末から開かれるロンドンオリンピックがデジタル移行の好機と見た国民党の馬英九政権は,2011年6月,それまで2012年末とされていたアナログ放送終了時期を半年早める方針を打ち出し,低所得層への補助の実施など,デジタル移行に向けた支援策を行った。

アナログ放送終了は4つの地域に分けて順次実施され,まず5月7日に中部地区で終了したのをはじめ,5月28日に東部,6月11日に南部で終了,最後に残った台北を含む北部も6月30日正午で放送を終了した。台北では,陳冲行政院長(首相)やNCC(国家通信放送委員会)の蘇衡主任委員が出席して記念式典が行われ,陳冲行政院長は「今後はケーブルテレビのデジタル化とデジタル放送番組の質の向上が課題になる」と述べた。地上デジタル放送をめぐっては,現在の番組再放送率が75%にも達する他,HDもほとんど普及していないことから,NCCでは各局に対し,1日少なくとも1時間から3時間のHD番組を放送するよう求めている。これに対し以前からHDチャンネルの試験放送を行ってきた公共テレビが,今年1.8億元(約4.8億円)にのぼる政府補助をもとにドラマや音楽などのHD番組を制作することにしている他,台湾テレビや中華テレビも自主制作番組強化を打ち出している。

山田賢一