メディアフォーカス

「心配なメディアはテレビより携帯電話」日本PTA全国協議会,調査報告書を公表

日本PTA全国協議会は,2012年5月21日,「保護者の心配はテレビより,携帯電話を初めとしたインターネットの利用」に移ってきているなど,2011年度の「子どもとメディアに関する意識調査」結果の報告書を公表した。

この調査は2002年度から継続的に行なわれ,今回は10回目に当たる。調査相手は,小学5年および中学2年の子どもとその保護者で,有効回収率は76~90%となっている。

最もよく見ているテレビ番組のジャンルは,小5が「アニメ」(82%),中2が「バラエティ」(84%)で,この傾向は2007年度から変わっていない。また,「家族と一緒」に(小5:56%,中2:51%),「リビング・台所」で(小5:88%,中2:86%)見ているのが最も多いことにも変化はない。

一部の番組に対して,「内容がばかばかしい」,「言葉が乱暴」,「常識やモラルを極端に逸脱」,「エッチな場面が多い」などの理由で「見せたくない番組がある」という保護者は,小5で28%,中2で19%いるが,テレビを視聴すること自体については,保護者全体の8割が肯定的に評価している(「非常に良い」7%,「まあ良い」73%)。

メディア接触が子どもに与える影響への対応策としては,「マスコミの情報をうのみにせず批判的に捉える情報リテラシーを子どもたちに身につけさせたい」と考える保護者が75%を占めた。保護者の心配は,テレビより携帯電話などでのインターネットの使用に移っていて,その背景には迷惑メールなどの危険が増えていることがあると報告している。

横山 滋