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NHKがロンドン五輪で放送計画外の競技をライブ配信へ

NHKは2012年7月に開幕するロンドンオリンピックでNHKと民放の生中継の放送計画に含まれない競技について,インターネットでのライブ配信を総務省に認可申請した。総務省も「実施は適当」という見解を示し,6月13日付で認可した。

これはロンドンオリンピックの生中継の放送計画に含まれない一部の競技について,視聴者の関心,要望に対応するとともに,放送を補完しようとNHKが実施を予定している。

申請内容によると,配信するのはNHKと民放による生中継の放送計画に含まれない競技から,1日当たり数種目から20種目程度を選択するとしている。配信はオリンピック開催中,延べ1,000時間程度を想定,配信地域は国内に限定する。

総務省では「映像の有効活用に資する」「放送の進歩発達にも資する」などと評価した上,「実施は適当」として,電波監理審議会の答申を受け6月13日付で認可した。

NHKのインターネットによる番組の同時配信については民放連がこれまで,「強い懸念」を表明しているが,5月31日の会見で井上弘会長は「放送番組のインターネット同時配信とは異なる」「オリンピックに限定して行われる例外的なもの」として,基本的には反対しない考えを表明した。

NHKではロンドンオリンピック終了後,画質や安定性,さらにコストなど,インターネットを通じたコンテンツ配信の技術的な課題を検証する方針。

関谷道雄