メディアフォーカス

英Ofcom,ローカルテレビ免許の入札を開始

イギリスの放送と通信を規制監督するOfcom(Office of Communications)は5月10日,ローカルテレビ免許の入札を開始し,申請は8月13日に締め切られる。

イギリスでは,キャメロン保守/自民連立政府のメディア政策に沿って,2013年の開始を目標に地上デジタルテレビ放送にローカルテレビを新規に導入する計画が進められている。政府は経済状況や事業の関心度等の事前調査を行った結果,北アイルランド地域のベルファスト,スコットランド地域のグラスゴー,エジンバラ,イングランド地方のバーミンガム,マンチェスターなど全国21か所にローカルテレビの導入が可能と判断した。

今回,Ofcomが付与する予定の免許は,少なくとも21のすべてのローカル都市をカバーしてローカルテレビチャンネルを伝送する地上デジタル周波数帯の運営事業者1社と,21か所のローカルテレビサービス事業者の2種類で,免許期間は12年間とされる。ローカルテレビ事業者には,1日2時間以上の放送やOfcomが定める番組基準の順守などが義務づけられるが,新チャンネルは「チャンネル8」として,公共放送BBCを含む既存の地上デジタルテレビチャンネルと並んで電子番組ガイドに表示される。

また,BBCの主要財源である受信許可料の一部(2,500万ポンド)がこのローカルテレビの立ち上げに利用されることが決定しており,Ofcomの発表の同日,BBCの監督機関であるBBCトラストは,運営事業者への受信許可料の割り当て方法に関する詳細な取り決めを公表した。

中村美子